最新記事

企業

7&iHD鈴木会長が辞任表明、子会社社長人事めぐり混乱

セブンイレブン社長人事で創業家の伊藤雅俊名誉会長らと対立

2016年4月8日(金)21時01分

 4月7日、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼最高経営責任者(写真)は記者会見で、「退任を決意した」と述べた。(2016年 ロイター/Yuya Shino)

セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>の鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)は7日の記者会見で「退任を決意した」と述べた。同日行われた取締役会では、会社が提案したセブン―イレブン・ジャパンの社長交代人事案が否決される異例の事態となり、混乱の責任を取った。

人事案に対し、創業家の伊藤雅俊名誉会長が反対したことも、退任決意の一因となった。

鈴木会長は、7日午前に開かれた取締役会終了後に辞任を決意し、会見で公表することを決めたという。退任時期は明示しなかったが「新体制に立候補するつもりはない」とした。

取締役会では、セブンイレブンの井阪隆一社長兼COO(最高執行責任者)の交代人事を会社が提案。15名の取締役のうち、反対6票、賛成7票、白票2票の結果となり、会社提案は成立に必要な過半数8票を確保できず、否決された。鈴木会長は「反対票が社内取締役から出るようだったら、私が信任されてないと考えていた」と述べ「井阪社長を信任して、それで私がやっていくのは将来に禍根を残す」と、辞任の理由を説明した。

さらに会見では、これまで「経営は鈴木会長に任せる」としてきた伊藤名誉会長も人事案に反対したことを明らかにした。鈴木会長は「良好な関係だったが急きょ変わった。いろいろなことを提案して拒否されたことは一回もない」と述べ、伊藤名誉会長の反対も退任決意に影響したことを明らかにした。

後任については「私が指名することは考えていない」と語った。

セブンイレブンの新体制については「井阪社長が信任されたわけではない。セブンイレブンは新しい人事案を作らなければならない」と述べた。今回の人事案否決を受け、セブンイレブンは新人事案を臨時取締役会に諮ることになる。

自身の次男である鈴木康弘取締役・最高情報責任者(CIO)をいずれセブンイレブン社長にするとの観測があることについては「なぜ息子の話がでてくるのか。びっくりしている。私は一言も言ったことはないし、息子も考えていない」と述べた。

米ファンドのサード・ポイントは、セブン&アイHDに送った書簡の中で、セブンイレブンを好業績に導いた井阪氏を評価。今日の取締役会でも、最高益を続けた同氏を辞めさせることへの反対意見が出た。

鈴木会長は「物足りなかった」「新しい案が出てこない」と井阪氏への不満を並べ、交代案の理由を説明した。

(清水律子)

[東京 7日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

エリオット、LSEG株大量取得か 経営改善へ協議と

ビジネス

中国1月自動車販売19.5%減、約2年ぶり減少幅 

ワールド

米下院、トランプ関税への異議申し立て禁止規定を否決

ビジネス

深セン市政府、中国万科向けに116億ドルの救済策策
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 5
    崖が住居の目の前まで迫り、住宅が傾く...シチリア島…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 9
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中