最新記事

2016米大統領選

米大統領選、アイオワ党員集会は民主・共和とも大接戦

予備選の行方を決定付けるアイオワ州で、ヒラリーとトランプのリードは誤差の範囲

2016年2月1日(月)14時25分
ダニエル・ポリティ

首位を奪還したが 自家用機でアイオワに乗り込んだトランプ Rick Wilking-REUTERS

 数カ月に及んだ選挙運動の後、いよいよ今日、有権者が最初の意思表示をする。予備選のスタートになるアイオワ州の党員集会で彼らがどの候補を選ぶのか、2~3カ月前の大半の予測より今ははるかに不透明になっている。アイオワ州の党員集会の予測では最も確度が高いといわれるデモイン・レジスター紙とブルームバーグの世論調査でも、選挙戦の行方はまだまだ流動的だ。

 共和党のほうでは、ドナルド・トランプの支持率が急伸してテッド・クルーズ上院議員を抜き返した。党員集会に出席すると答えた有権者のうち28%がトランプを支持し、クルーズの支持者は23%だった。3位は支持率15%のマルコ・ルビオ上院議員で、少し前までトランプの最大のライバルと思われていた元神経外科医のベン・カーソンは10%と後れを取った。

【参考記事】「台風の目」トランプの意外な実力

 だが、トランプが勝つとは限らない。世論調査によれば、クルーズはトランプより幅広い層の支持を集めており、共和党員の間でもより尊敬されている。党員集会に出席する共和党院の45%が、まだ心変わりする余地があると答えているだけに、結果は最後までわからない。

webw160201-01.jpg

固定支持層が支えるクリントン Brian Snyder-REUTERS

 民主党のほうでは、ヒラリー・クリントン前国務長官がバーニー・サンダース上院議員をわずかに上回っているが、差は誤差の範囲だ。党員集会にたぶん出席するという民主党員の支持率で比べると、クリントン支持者は45%で、サンダース支持者は42%。「これ以上の接戦はない」と、オバマ大統領元顧問のデービッド・アクセルロッドは言う。「もしサンダースの勢いが予備選終盤まで続けば、選挙戦は並んだまま膠着状態だ」

揺るがないヒラリー信者

 だが統計上は引き分けでも、クリントンのほうに対する支持のほうが「深くて堅固」だと信じる理由がある。先の世論調査によれば、民主党員のなかにはクリントンが大統領候補になる可能性に興奮し、推すのは彼女しかないと心に決めている支持者が多い。「全般的に見れば、クリントンは世論調査の3ポイントよりもっとリードしている」と、調査を行ったデモイン・レジスターのJ・アン・セルザーは言う。

【参考記事】米大統領選を決する4%票の正体

 両党とも、決め手は党員集会への参加人数だ。クリントンは、必ず出席するという有権者のなかでリードしているが、たぶん出席するという有権者のなかではサンダースがリードしている。大ざっぱにいえば、月曜の夜に集まる人が多ければ多いほど、トランプとサンダースがそれぞれ有利になる。

© 2016, Slate

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23

ワールド

日本と関税巡り「率直かつ建設的」に協議=米財務省

ワールド

再送トランプ氏、中国の関税合意違反を非難 厳しい措

ビジネス

FRB金利据え置き継続の公算、PCEが消費の慎重姿
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中