最新記事

日中関係

安保法案を中国はどう見ているか?――ネットの声も含めて

2015年9月15日(火)16時15分
遠藤 誉(東京福祉大学国際交流センター長)

■日本は中国と戦争をしようと思っているわけではない。アメリカを助けて軍事産業でお金もうけをしようとしているのだ。

■アメリカも中国と戦争をしようとは思っていない。アメリカの代わりに日本に出動させ、日本は中国の周辺小国に武器を売って儲け、自分の代わりにこれらの小国と中国との間に小競り合いをさせようとしている。

■その意味では巧みな対中包囲網だ。

以上が討論番組の概要だ。次は......

中国大陸のネットユーザーの素朴な質問

 中国大陸の検索サイト「百度知道」にある素朴な質問と回答を見てみよう。他のポータルサイトにもある声を、総合的に拾ってみた。

Q 日本国民は、なんであんなにまで安保法案に反対してるの?

──だって、これは日本国民にとって金儲けができるとか、国民が豊かになる法案じゃなくて、戦争法案だよ。虫けらだって必死になって生きようとするのに、いわんや日本人においてをや!(日本人だって人間だ、という漢語の表現)。あのひどい日本だけど、庶民は誰だって砲火の犠牲にはなりたくない。あの第二次世界大戦の悪夢を繰り返したくないって思ってるんだ。だからみんなが立ちあがって安倍に反対してるんだよ。

──アメリカが敵と戦っていたら日本もアメリカの味方になって戦う。そしたら、アメリカが戦っている敵は、当然、日本を敵だと思うから、日本を攻撃するだろ?そんなことしなきゃ、日本は本来なら攻撃されなくても済んだのに、今まで敵じゃなかった国から、日本もいつも狙われる国になる。だから、国民が怒ってるんだよ。その敵国がISだったら、日本はもうお終いだ。ISに狙われるってことになるから。

──えっ、日本って民主主義の国だろう? だったら、そんな首相を選挙で選ばなきゃよかったじゃないか。

──そうだよなぁ。考えてもみろよ、中国の軍隊が強大になり海外で活動すれば、おれたち中国人は反対するかい? 反対するどころか、国威を宣揚できて誇らしいと思うだろ? 中国人は軍隊を持っていていいのに、なんで日本人は持っちゃいけないのかなぁ......。

──日本は敗戦したからさ。だからアメリカが軍隊が持てないような憲法を作らせたのさ。

──それにしても日本国民は「平和憲法を守れ」って、すごい勢いで抗議デモをしているよね。日本国民って、本気で平和を愛している人が多いんだね。そこは感心する。政府に抗議しても逮捕されないのは、いいよね。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期

ワールド

台湾中銀、政策金利据え置き 成長予想引き上げも関税

ワールド

UAE、イスラエルがヨルダン川西岸併合なら外交関係

ワールド

シリア担当の米外交官が突然解任、クルド系武装組織巡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中