最新記事

欧州

バルト海に迫る新たな冷戦

2015年8月4日(火)18時00分

 9カ国は「同じ軍事同盟に加入していない。脅威の評価、軍事計画、軍備調達、軍事演習において十分に(あるいはまったく)連携していない」と、報告書は指摘した。

 一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、挑発行為を始めたのは欧米の側だと反論する。「自国領土から離れた場所を偵察機でパトロールするのは、冷戦期のソ連とアメリカだけがやっていたことだ」と、プーチンはイタリア紙のインタビューで語った。

「ロシアはそうした飛行を90年代初めにやめたが、アメリカはわが国の国境近くを飛び続けてきた。だからわれわれも数年前に復活させたのだ。なのにロシアが攻撃的になっていると言うのか?」

 ボルンホルムのレーダー基地に所属するジェンセンとハンセンは、さほど脅威を感じていない。ジェンセンが同基地で働き始めたのは1975年。冷戦の真っただ中だった。ソ連の爆撃機が12機、戦闘隊形で島の近くを飛んでいた時代を今も覚えている。

 ジェンセンは言う。「心配してはいない。すべては以前に経験したことだから」

[2015年7月28日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

JPモルガン、欧州と中南米の銀行に注目=CEO

ワールド

シンガポール非石油輸出、9月は前年比+6.9% 予

ワールド

世界のエネルギー消費、50年以降も化石燃料が主流に

ワールド

「アンティファ」関与で初のテロ罪適用、テキサス州の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 5
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 6
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 7
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    ホワイトカラーの62%が「ブルーカラーに転職」を検討…
  • 10
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 1
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中