最新記事

サウジアラビア

オンラインで首切り執行人8名を募集中

その仕事に特定の技能や学歴は必要ないが、「聖職」に分類されている

2015年5月19日(火)16時16分
エリオット・ハノン

踊りだけじゃない 「アルダ」と呼ばれるサウジの伝統舞踊(リヤド) Fayez Nureldine/Pool-REUTERS

 オンラインでの求職・求人活動は、職種を問わず今や当たり前のになっている。しかし、サウジアラビアの人事省が昨日ウェブサイトにアップした求人広告は度肝を抜くものだった。死刑執行人8名を募集する広告だ。

 サウジアラビアでは斬首による死刑執行が一般的(それも多くの場合、公開処刑)で、その数は増加傾向にある。日曜には今年85件目の死刑執行が行われ、早くも昨年の執行総数と肩を並べる勢いだ。

 米紙ニューヨークタイムズによると、「今回募集している8名の執行人には、特定の技能や学歴は必要ない。彼らは、『判決が下された後、シャリーア(イスラム法)に則ったかたちで処刑を遂行』することになる」という。

「しかし、職務のおぞましさや、一部地域における斬首人不足、そして処刑数の増加を考えると、採用者はかなりの仕事を受け持つことになるかもしれない」

 サウジアラビアの死刑や体罰はその残酷さから国際的な批判を浴びている。「サウジ当局は死刑執行件数が急増している理由を説明していないが、各国の外交官たちは、裁判官を増員したことでこれまで滞っていた刑事裁判の審理がスピードアップしたからではないか、と推測している」と、ロイター通信はいう。

 また、死刑執行人職への応募書類は人事省のウェブサイトからPDF形式でダウンロードできるという。その書類には、この仕事は『聖職』に分類され、俸給は公務員職のなかでは低い水準になるそうだ。

© 2015, Slate

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア、軍事演習で戦術核兵器の使用練習へ 西側の挑

ワールド

再送イスラエル軍、ラファ空爆 住民に避難要請の数時

ワールド

再送イスラエル軍、ラファ空爆 住民に避難要請の数時

ワールド

欧州首脳、中国に貿易均衡と対ロ影響力行使求める 習
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 3

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 6

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 7

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 10

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中