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ウクライナ危機で問われるNATOの意味

2014年4月16日(水)15時11分
ポール・エイムズ

「冷戦終結後最大の危機」

 NATO条約第5条は、加盟国に対する攻撃はNATO全体への攻撃と見なして集団的自衛権を行使する、と定めている。なのにNATOはアフガニスタンやリビアなど域外での任務に重点を置き、ヨーロッパにおけるロシアの脅威に備えができていないと、東欧の加盟国は以前から不満を漏らしている。NATOは「第5条が定めていることを陸・海・空で目に見える形で実行する」べく計画策定中だと、ケリー米国務長官は語った。

 ロシアがウクライナに侵攻すれば経済制裁で対抗すると欧米の指導者は言う。しかしNATO内には、ロシアとウクライナが戦争になればより広範囲に飛び火するかもしれないと懸念する声がある。ウクライナの危機は「冷戦終結後最大の危機」だと、ラスムセンは言う。

 悪夢のシナリオはいくらでもある。民間人が多数犠牲になったり残虐行為が行われたり、ウクライナからの難民がEUに大量流入する事態になれば、欧米の介入圧力は増大するだろう。ロシアが経済制裁に対抗して、あるいはウクライナで激しい抵抗に遭って、バルト3国に矛先を向ける可能性もある。

 アフガニスタンでもコソボでもリビアでもNATOの介入は一応の成果を挙げたが、ウクライナ危機はNATOにとってそれ以上に大きな試練となるはずだ。たとえ紛争は回避できても、アメリカと欧州加盟国の軍事費格差の問題がある(現在アメリカ以外でGDP比2%という目標に達しているのはエストニアとギリシャとイギリスだけだ)。

 しかし何より心配なのは、危機が深刻化した場合、団結を証明するだけの政治的決断力がNATOにあるかどうかだ。

[2014年4月15日号掲載]

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