最新記事

マレーシア航空

航空機失踪のミステリアスな歴史

マレーシア航空機の行方は今も分からないが、最後まで機体が発見されなかった事故は過去にもたくさんある

2014年3月18日(火)15時57分
マーク・ジョハンソン

行方知れず ハイジャックや操縦士の自殺などさまざまな憶測が飛び交うが…… Bazuki Muhammad-Reuters

 マレーシア航空MH370便はどこへ消えたのか。謎は深まるばかりだが、航空機事故に関する情報サイト「航空安全ネットワーク」によれば1948年以降、(14人以上が搭乗可能な航空機に限っても)80機以上が「行方不明」になっているという。そのうち4つのミステリアスなケースを見てみよう。

1950年:ノースウエスト・オリエント航空2501便
 ミシガン湖に沈んでいると思われるものの、機体は発見されていない。ダイバーたちによって座席などの残骸や遺体の一部は発見されたが、機体そのものは見つからず、当時ではアメリカ史上最悪の航空機事故となった。

 ニューヨークからミネソタ州ミネアポリスを経由し、ワシントン州シアトルに向かっていたダグラス社製DC-4機に搭乗していた乗客55名と乗員3名は墜落によって死亡したと思われる。現地のある歴史家は2008年、1950年代に事故の犠牲者と思われる遺体が多く岸に流れ着いたが、家族らに知らされることなく無標の墓にまとめて埋葬されたと証言している。

1962年:フライング・タイガー・ライン739便
 3月16日、グアムからフィリピンのマニラにあるクラーク空軍基地に向けて飛び立った当機に乗り込んでいた米兵93名、南ベトナム兵3名の消息は今も不明のままだ。失踪したロッキード社製L-1049機の捜索は、太平洋上では史上最大級の規模で行われたが、結局機体は発見されず。CAB(米民間航空委員会)は空中で爆発したことが原因だと結論付けた。

1965年:アルゼンチン空軍C-54機
 コスタリカのジャングルの奥地か、カリブ海の底か。11月1日に68名を乗せたまま姿を消したアルゼンチン空軍所有のダグラス社製C-54機の行方は今も分かっていない。

 乗員からは救難信号が発せられ、コスタリカの都市リモンを迂回するとの知らせがあったが、それを最後に交信は途絶えた。その後、ボカス・デル・トーロ列島で25個の救命ブイや乗員の所持品、機体の破片が発見されたが、機体の本体や乗員らが見つかることはなかった。

1979年:バリグ・ブラジル航空967便
 日本とブラジルを結ぶ貨物機は1月30日、成田空港を離陸してからわずか30分後に消息を絶った。貨物便のため乗員は6名だったが、120万ドル相当ともされる絵画などを積み込んでいた。現在に至るまで機体、乗員、積み荷などは何一つ見つかっていない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

首都ターミナル駅を政府管理、米運輸省発表 ワシント

ワールド

ウクライナ6州に大規模ドローン攻撃、エネルギー施設

ワールド

デンマーク、米外交官呼び出し グリーンランド巡り「

ワールド

赤沢再生相、大統領発出など求め28日から再訪米 投
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪悪感も中毒も断ち切る「2つの習慣」
  • 4
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    「どんな知能してるんだ」「自分の家かよ...」屋内に…
  • 7
    「美しく、恐ろしい...」アメリカを襲った大型ハリケ…
  • 8
    【クイズ】1位はアメリカ...稼働中の「原子力発電所…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    イタリアの「オーバーツーリズム」が止まらない...草…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 7
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 10
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中