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安全保障

日米関係は本当に悪いのか

2012年9月24日(月)11時28分
リチャード・ワイツ(ハドソン研究所上級研究員)

 ただ、問題を複雑にしているのは、サイバーネットワークの管理では民間部門が大きな役割を果たしていることだ。アメリカでは民主・共和両党幹部と政府高官が力を注いだにもかかわらず、サイバーセキュリティー法案の採択を実現できなかった。

 宇宙における安全保障インフラも、日米の共同イニシアチブがいっそう期待される分野だ。自衛隊も米軍も、偵察活動やGPS(衛星利用測位システム)などで人工衛星への依存度を高めている。

 日本の防衛省は09年、宇宙を利用した安全保障活動をサポートするため、宇宙開発利用に関する基本方針を定めた。当初の目的は、日本独自の宇宙防衛能力を確保することだったが、その目標が達成された今、日米両国は相乗効果を狙って宇宙での協力を拡大できる。

 中国は近年、対衛星攻撃能力を獲得しつつある。日米政府は自衛隊と米軍が情報を交換し、それぞれの衛星システムがダメージを受けたとき、相手のシステムを利用できるような手段を講じるべきだろう。

From the-diplomat.com

[2012年8月29日号掲載]

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