最新記事

犯罪

カナダを震撼させる猟奇殺人の狂気度

殺人シーンをネットで公開し、遺体を各地に送り付けるバラバラ殺人究極のフルコース

2012年6月7日(木)13時00分
デーブ・トリフノフ

"サイコ" 事件直後にパリに逃亡したマグノッタは、ベルリンのネットカフェで逮捕された Interpol-Reuters

 ネットに投稿された残忍な殺人場面。カナダ各地に次々に送りつけられる遺体の一部。この2週間ほどカナダを震撼させている猟奇殺人事件は、ヨーロッパに逃亡していた容疑者が逮捕されても収束しそうにない。

 6月4日、逃亡先のドイツで身柄を拘束されたのは、モントリオール在住のルカ・ロッコ・マグノッタ(29)。「カナディアン・サイコ(精神異常者)」の異名をもつ彼は、殺人など複数の容疑でカナダに身柄を送られる見込みだ。

 警察によると、同性愛ポルノ男優だったマグノッタは5月24日、元恋人で中国人留学生の林俊(リン・チュン)を殺害。その様子をビデオ撮影し、「狂人とアイスピック」というタイトルをつけて翌日ネットの動画サイトに投稿した。

 映像には、ベッドに縛りつけられたアジア系男性が、アイスピックとナイフで刺される様子が映っている。殺人鬼はさらに死体をバラバラにして性行為を行い、遺体の一部を食べたという。警察では問題の映像を撮影したのはマグノッタ本人とみている。

逮捕後にも届く手足入りの小包

 事態が動いたのは5月29日、モントリオール警察がゴミと一緒に捨てられていたスーツケースの中から死体の胴体部分を発見。同じ日、200キロほど離れた首都オタワでは、与党・保守党と野党・自由党の本部に切断された手足の一部が相次いで届けられた。

 6月4日にマグノッタがドイツで逮捕されても、恐怖はさらに続いている。翌5日、今度はカナダ西岸のバンクーバー市内の2つの学校に不審な小包が届いたのだ。

 私立の男子校に届いた小包には片足が、公立小学校の小包には片手が入っており、いずれも林のものである可能性が高まっている。

 2つの小包とそこに書かれていた住所は、政党本部に届いた小包と同様のもの。発送元もモントリオールだったことから、警察は「関連事件だとほぼ確信している」としている。

 林の遺体の残りの部分はどこにあるのか。5日の時点では、遺体の頭部はまだ見つかっていない。

GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、ハイテク株に売り エヌビディア

ビジネス

NY外為市場=円が対ドルで上昇、介入警戒続く 日銀

ワールド

トランプ氏「怒り」、ウ軍がプーチン氏公邸攻撃試みと

ワールド

トランプ氏、ガザ停戦「第2段階」移行望む イスラエ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 7
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中