最新記事

対談

ツイッターが変える日中の未来(2)

たった140字のリアルタイムな「つぶやき」が社会を変える! 日中両国でトップーユーザーとして活躍する津田大介氏と安替(アンティ)氏が語るツイッターと世界の未来

2010年11月4日(木)14時26分

 日本や中国の社会を少しずつ変え始めたツイッター。日中両国でトップユーザーとして活躍する津田大介氏と安替(アンティ)氏の対談第2回は、現実の社会活動でツイッターをどう活用すべきかについて議論が盛り上がった。「政治家ツイッターランキング」とは何か。 「ツイッター5原則」って?
(編集部・長岡義博、通訳は北京在住ジャーナリストのふるまいよしこ氏)。


「日中トップツイッター対談」第1回はこちら

津田:安替さんにお聞きしたいのですが、中国の生の情報を得るのに効果的なサイトはどこですか?

安替:まず中国語を学ぶ必要がありますね(笑)。言葉の問題がなければ、中国人ツイッターの影響力を知るうえで一番いいのはtwibase.com。中国の影響力のあるツイッターユーザーがランキングされています。私は4位。ちなみに蒼井そらさんは22位(笑)。

言葉の壁を乗り越えるためには、中国のツイッターで話題になっている情報を日本語に訳してダイジェストで発信する場があるといいと思います。このような場は英語の世界では既にかなりつくられている。もっとも肝心なのですが、今や欧米の記者は人民日報を見ずツイッターで情報を取っています。

津田:3年間ツイッターを使って来て感じたのは、現実社会と結びつける力に満ちているということ。その力の源泉はどこにあると考えますか。

安替:既存メディアとツイッターの違いはツイッターが140字というシンプルなメディアであること。そのことがツイッターを「行動するメディア」にしている。ツイッターで大事なのは「行動する」「抗議する」「写真を撮る」「コメントする」という4原則です。一般人であれメディアの記者であれ、こうやって行動することでパワーにつながっていく。

中国人はツイッターと海外メディアとの距離がとても近いと感じている。農民の一言がニューヨーク・タイムズの1面に載るのは日本では非現実的かもしれませんが、中国では現実なのです。去年、福建省アモイの1人のツイッターユーザーが警察に捕まり、隙を見てSOSを出したらツイッターで大騒ぎになってニューヨーク・タイムズが1面で取り上げ、警察が2週間後に釈放したという事件がありました。

津田:そういうことが可能なのはツイッターがオープンだからでしょうか。

安替:オープンというだけでなく、全世界が中国の市民社会に注目しているからだと思います。

津田:そういうところはQQ(編集部注:中国でユーザー数が圧倒的なインスタントメッセージ・サービス「テンセントQQ」のこと)とは違いますね。

安替:国際メディアはQQにはまったく興味を持っていません。ツイッターは行動メディアというだけでなく、「情報のテコ」の役割を果たすメディアでもある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英労働市場は軟化、インフレへの影響が焦点─中銀総裁

ビジネス

アングル:トランプ氏の「コメ発言」、政府は参院選控

ビジネス

1.20ドルまでのユーロ高見過ごせる、それ以上は複

ワールド

タイ憲法裁、首相の職務停止 軍批判巡る失職請求審理
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中