最新記事

個人情報

IT配車サービスUberの対メディア報復が怖い

幹部が語ったのは「ジャーナリストの私生活を調べてネットでさらす」という計画

2014年11月19日(水)16時10分
エリオット・ハノン

急成長の影に 世界中の都市に進出するUberにはタクシー業界からの反発もある Kai Pfaffenbach-Reuters

 ITを駆使した配車サービス会社「Uber(ウーバー)」は、メディアの批判がことさら気に入らないらしい。メディアの批判が嫌いなのはどんな会社も一緒だが、Uberが他の企業と違うのは、批判的な記事を書いた記者が先週末の夜、何時にどこから帰宅したか、などの情報を掴んでいることだ。

 ウーバーは、スマートフォン専用アプリを使ってハイヤーやタクシーを呼べるサービス。09年にシリコンバレーで誕生し、簡単に車が呼べて料金はアプリで自動的に決済できる手軽さなどが受けて、今では世界中の都市に進出している。しかし規制の厳しいヨーロッパなどでは、新規参入を警戒する既存のタクシー業界から反発も起きている。

 ニュースサイト「バズフィード」の記事によると、ウーバーの幹部は、批判の矛先を向けてくるメディア記事に対抗するためにまで自社のIT技術を「駆使」するつもりらしい。

 バズフィードのベン・スミス編集長は、こう書いている。


 ウーバーの経営幹部は、批判的なメディアのスキャンダル探しをする「反対派リサーチチーム」の設置を考えているとほのめかした。具体的には、ウーバーを批判した女性ジャーナリストの私生活をネットで拡散するという。

(ウーバーの社長補佐エミル・マイケルは)ニューヨークでのディナーの席上、「100万ドルかけて」リサーチャー4人とジャーナリスト4人を雇う考えを開陳。このチームがメディア側の「私生活や家族」について調べ、メディアがいつもやっていることを逆に味あわせるせてやる、と語った。

 実際、ウーバーのニューヨーク支部長は、会社の運営方針をめぐってバズフィードの女性リポーターと議論する中で、彼女のプロフィールにアクセスしていた。彼女はウーバー側とメールでやり取りしていたが、プロフィールへのアクセスを許可したことは一度もない。


 この記事に対して、マイケルは食事の席で自分の口から出た言葉は、頭の中で考えていたこととは違う、と弁明した。

 もちろん、これはウーバーのポリシーにも反している。ウーバーの広報担当者は、バズフィードに対して「(「反対派リサーチチーム」の)活動は、プライバシーとデータ利用に関する社のポリシーに明らかに違反する」と、語っている。

© 2014, Slate

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

最近の急速なウォン安・円安、深刻な懸念共有=日韓対

ワールド

米戦略石油備蓄の第1弾、来週末までに供給 8600

ビジネス

日立とGEベルノバ、東南アジアで小型モジュール炉導

ワールド

米商務省、AI半導体輸出の新規則案を撤回 公表から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革命をもたらす「新世代ドローン」とは?
  • 3
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈祷」を中国がミーム化...パロディ動画が拡散中
  • 4
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 5
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 6
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 7
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 8
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 8
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中