最新記事

米警察

黒人射殺事件で見えた警察の軍隊化

2014年8月21日(木)15時18分
ジャメル・ブイエ

 過剰捜査は悲惨な結果を引き起こしている。10年のデトロイト市警のSWATによる家宅捜索では家屋に特殊閃光弾と防弾盾で突入。家にいた7歳の女の子が警官の銃をつかもうとして銃弾の犠牲となった。

 SWATが出動するのは、黒人とヒスパニック(中南米系)が住む地域に偏っている。具体的には、SWATによる捜査対象者の半数が黒人とヒスパニックで、出動件数の68%が麻薬捜査だった。麻薬捜査の実に6割で強行突入が行われ、死傷者まで出している。

 警察は新型の武器や車両に夢中だ。ニューヨーク・タイムズが述べるように、「SWATの活躍で、警官の格好や警察の自己イメージは変わった。警官募集ビデオには、警官が発煙弾と自動小銃を手に突入する場面が満載だ」。警察に武器という「おもちゃ」を与えれば、彼らは当然それを使って「遊ぶ」だろう。

 ファーガソンでも警官は重火器を振り回し占領軍のように振る舞っている。黒人とヒスパニックが多数を占める地域では長年、警察は攻撃的かつ懲罰的な行いをしてきた。これに自動小銃や装甲車両が加われば、乱暴な取り締まりになるのは当然だ。
ファーガソンの悲劇はアメリカの無数の貧困地帯で繰り返されていてもおかしくない。

© 2014, Slate

[2014年8月26日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国外相、イラン指導者殺害や体制転換の扇動「容認で

ワールド

OPECプラス8カ国、4月に増産開始で合意 イラン

ワールド

イラン首都照準に2日目攻撃、トランプ氏は反撃に警告

ワールド

プーチン氏、ハメネイ師殺害は道徳規範と国際法に違反
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作曲家が「惨めでもいいじゃないか」と語る理由
  • 4
    「本当にテイラー?」「メイクの力が大きい...」テイ…
  • 5
    【銘柄】「三菱重工業」の株価上昇はどこまで続く...…
  • 6
    米・イスラエルの「イラン攻撃」受け、航空各社が中…
  • 7
    【銘柄】「ファナック」は新時代の主役か...フィジカ…
  • 8
    「高市大勝」に中国人が見せた意外な反応
  • 9
    今度は「グリンダが主人公」...『ウィキッド』後編の…
  • 10
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 7
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 8
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 9
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中