最新記事

情報

イスラム過激派のポルノ観賞を監視せよ

スノーデンの新たな暴露文書で、NSAの意外な情報収集が明らかになった

2013年11月28日(木)17時29分

世界を監視 扇動者の弱みを握るのも重要な作戦(メリーランド州のNSA本部) Reuters

 ここ数カ月、米国家安全保障局(NSA)による外国要人・組織への通信監視活動が次々と明らかにされているが、まさかオンラインポルノ観賞まで見張っているとは誰も思わないだろう。

 しかし、相手がイスラム過激派となると話は別だ。

 NSAは、扇動的な発言で一般のイスラム教徒を過激派に駆り立てていると思われる人物の「ポルノ観賞の記録」を集めているという。
 
 NSA勤務歴があるエドワード・スノーデンが暴露した文書に基づきハフィントンポストが報じたところでは、監視対象となったイスラム教徒は6人。彼らの個人的な弱みを利用して、信奉者の信用を損なうことが目的だった。

 文書は昨年10月3日付け。その中でNSAは、監視対象の偽善的行動を浮き彫りにすれば、評判と権威を失墜させるのに効果的だと指摘している。「(性的なコンテンツの)利用に焦点を当てれば、彼らのメッセージの品性や信頼性の低さ、またはその両方を明らかにできる」

 文書の別表には、監視対象となり得る人物の名前とそれぞれの弱みが記されている。例えば、1人の弱みは「オンライン乱交」、別の1人は「華美な生活」だ。

 スノーデンのロシア亡命を支援した内部告発サイトのウィキリークスはこの記事について、次のようにツイートした。「ポルノ観賞でNSAの標的になった6人はいずれも、テロ計画への関与で告発されていない」

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

マスク氏、FRBへDOGEチーム派遣を検討=報道

ワールド

英住宅ローン融資、3月は4年ぶり大幅増 優遇税制の

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる

ビジネス

アルコア、第2四半期の受注は好調 関税の影響まだ見
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中