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米大統領選

歴史を作るオバマ2期目のシナリオ

2012年11月7日(水)13時31分
アンドルー・サリバン(政治・メディアコラムニスト)

 私たちは理解している。本物の変化を起こそうと思えば本物の抵抗に遭うことを。そのような抵抗に遭ったときに取るべき道は大統領をクビにすることではない。直面する深刻な問題を解決できるのは、超党派の取引をまとめられる現実的な大統領だと認めるべきだ。

 当選後に野党と歩み寄って問題を解決できるのはオバマか、それともロムニーか。考えてみるまでもないだろう。

 レーガンと同じように、第1期に未完成に終わった「事業」を完成させるために、オバマはあと4年の任期を必要としている。08年にオバマを支持した人たちには、変化を求めるリベラル派も現実的な問題解決を望む無党派層も、超保守派に反感を抱いた共和党支持者もいたことだろう。どの人たちにとっても、今ここでオバマを見捨てる理由はないはずだ。

 オバマの改革は、これから収穫の時期を迎える。経済の回復が追い風になるだろう。アフガニスタンから最後の兵士が帰還するだろう。不法移民は未来の経済の担い手になるだろう。宗教に根差した憎しみの悪循環も、何とか静められるだろう。

 オバマは自分の約束を破っていない。裏切り者ではない。オバマと一緒に、私たちも収穫の時期を迎えようではないか。

[2012年10月17日号掲載]

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