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グアンタナモ拷問とビージーズの共通点

テロ容疑者収容所で自分たちの曲が拷問の道具として使われていたことに対し、ミュージシャンたちが猛抗議しているが

2009年10月27日(火)15時00分
スティーブン・ウォルト(ハーバード大学ケネディ行政大学院・国際関係論教授)

伝説の男たち イギリス出身のポップスグループ、ビージーズのロビン・ギブ(左)とバリー・ギブ(07年) Fred Prouser-Reuters

 ミュージシャンの一団がこのほど「グアンタナモ収容所閉鎖全国キャンペーン」に参加。ブッシュ政権時代に同収容所のテロ容疑者を拷問する道具として彼らの音楽が使われていたことに対し、正式な抗議声明を出した。

 報道によると、ブルース・スプリングスティーンやナイン・インチ・ネイルズ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、そしてビージーズ(?)といったアーティストの曲が、睡眠妨害や過酷な尋問の手法として、耐え難いほどの大音量で流されていた。

 曲を使われた一部のアーティスト(トレント・レズノー、ジャクソン・ブラウン、デービッド・バーン、REMほか多数)はこうした慣行に関する追加情報を要求。さらに、自分たちの曲をこんな形で使わないよう求めている。

 結構なことだ。人によっては、どんな音量であれビージーズを無理やり聞かされるのは拷問の一種と解釈できるかもしれない。もっとも、ブッシュ時代のさまざまな慣行を禁止してきたオバマ大統領でも、ビージーズまで禁止するとは思えないけどね。

[米国東部時間2009年10月26日(月)12時07分更新]

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