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技術力×体験型教育で「未来を変える」...日本シームが目指す、廃プラ再資源化が「あたりまえ」の社会

2025年11月20日(木)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
ペットボトルキャップで作った玩具で遊ぶ子供たち

ペットボトルキャップで作った玩具で遊ぶ子供たち

<1977年の創業以来、技術力で日本国内のリサイクル設備を支えてきた日本シームが、いま啓発活動に力を入れる理由とは?>

日本企業のたとえ小さな取り組みであっても、メディアが広く伝えていけば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。そのような発信の場をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版が立ち上げた「SDGsアワード」は今年、3年目を迎えました。

私たちは今年も、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇


世界有数のプラスチック消費国である日本では、回収されたプラスチックの約60%が焼却処理されており、資源として再利用される「マテリアルリサイクル率」はおよそ20%前後にとどまっている。

残念ながら、市民が丁寧に分別しても、その多くは資源化されることなく燃やされているのが現実なのだ。この構造的なギャップは、循環型社会の実現を大きく妨げる要因の一つとされてきた。

こうしたなか、産業用環境機械の分野において長年にわたりリーダーシップを発揮してきた企業が、日本シーム株式会社だ。

埼玉県川口市に本社を置く同社は1977年の創業以来、廃プラスチックを資源に戻すための技術開発に一貫して取り組んできた。

廃プラスチックの粉砕・洗浄・選別・脱水・造粒などのリサイクル工程に対応した装置の開発・提供を続け、2009年には日本初の洗浄粉砕機を開発し、特許を取得。

汚れの多いプラスチックの資源化で技術的に大きな貢献を成し遂げたほか、2023年には印刷やラベルの付いたプラスチックからインクを除去できる「脱墨(だつぼく)装置」を開発し、食品容器や化粧品パッケージなど高い品質レベルが求められる分野での再生プラスチック利用を後押ししてきた。

日本シームの廃プラスチック「洗浄粉砕機」

日本シームの廃プラスチック「洗浄粉砕機」

同社の開発した機器は、全国の容器包装リサイクル施設の40%以上で導入され、業界インフラの一部となっているという。

約半世紀にわたり、国内のリサイクル循環を支えてきた日本シーム。環境分野の先頭を走り続けてきた企業は、現在「次のステージ」に挑んでいる。

体験を通した「学び」の機会を

「優れた技術があっても、市民一人ひとりの理解と行動がなければ循環型社会は実現できません」そう語るのは、代表取締役社長の木口達也氏だ。

日本シームでは、培ってきた技術や自社の機械を「社会をつなぐツール」として、子供から大人まで、多くの人にリサイクルの重要性を伝えるための啓発活動に力を入れ始めた。

きっかけは、木口氏が小学校に通う娘から「パパはどんな仕事をしているの?」と尋ねられたことだった。「プラスチックをリサイクルする機械を作っているんだよ」と答えると、今度は「リサイクルって何?」「プラスチックはどうなるの?」と質問が返ってきた。

言葉で伝えることの難しさやもどかしさを感じた木口氏は「自分の手で実際にやってみれば理解できるのでは」と考え、ペットボトルキャップを粉砕・加熱・成形して玩具を作った。

この小さな実験が、社内の「技術だけでは循環型社会の実現はできない」という課題意識と重なり、プラスチック再資源化の技術を知り、体験してもらうためのアップサイクル体験会として具現化された。

オープンファクトリーや地域イベントで実施される体験会では、日本シームが独自開発した、プラスチックの汚れを落としながら粉砕できる洗浄粉砕機を使用。子供たちは同社の機械の性能を体感しながら、ペットボトルキャップを自分の手で粉砕・加熱・成形してコマやカラビナなどに作り変えることができ、目の前で「ゴミが資源に生まれ変わる」プロセスを味わえる。

これは子供たちへの「教育」であると同時に、保護者がリサイクルについて知る機会になり、こうした経験は親子間での対話のきっかけにもなる。

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