最新記事
環境保護

「アラスカ野生生物保護区」内での資源開発、米政府が具体的措置を発表...環境保護か経済的利益か

2025年10月24日(金)13時30分
「アラスカ野生生物保護区」内での資源開発

10月23日、米政府は23日、トランプ大統領の指示に基づくアラスカ州北東部の野生生物保護区におけるエネルギー資源開発とインフラ整備の再開に向けた具体的な措置を発表した。写真はトナカイの群れ。2021年5月、アラスカ州セントジョージ島で撮影(2025年 ロイター/Nathan Howard)

米政府は23日、トランプ大統領の指示に基づくアラスカ州北東部の野生生物保護区におけるエネルギー資源開発とインフラ整備の再開に向けた具体的な措置を発表した。

トランプ氏は2期目の大統領に就任した1月20日に、アラスカのエネルギー資源の潜在力を解き放つとする大統領令に署名。バイデン前政権が導入した環境保護のための開発規制を撤廃した。

ホッキョクグマやポーキュパイン・カリブー、さまざまな渡り鳥などが生息する野生生物保護区内の開発を巡っては、雇用や経済的利益を優先する地元政治家・企業と、環境保護団体の間で対立が続いている。


こうした中で内務省は、保護区内のうちバイデン前政権が掘削を制限していた総面積60万ヘクタールの北極海に面した「コースタル・プレーン」全域を再びリース対象にすると明らかにした。この地域には最大で118億バレルの回収可能な石油が存在するとされる。

バーガム内務長官は「コースタル・プレーンを再開し、重要なインフラ建設を進めることで、われわれはエネルギーの独立性を高め、雇用を創出し、アラスカの地域社会を支えながら州全体の経済発展をけん引することになる」と意義を訴えた。

また内務省は、アラスカ産業開発輸出公社(AIDEA)向けに取り消されていた石油・ガスのリース契約も復活させる方針。AIDEAは、第1次トランプ政権末期に実施された野生生物保護区内での最初の採掘権入札への数少ない参加者の1つだった。

2021年にAIDEAへ付与された7件のリース契約は、23年にバイデン前政権が取り消したが、今年になって連邦裁判所が政府に取り消し権限はないとの判決を下している。


[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2025トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米、ウラン濃縮20年停止を提案 イランとの協議で=

ワールド

仏大統領、ベネズエラ野党指導者マチャド氏と会談 民

ビジネス

消費堅調なら経済成長も維持、油価高止まりに注視も=

ワールド

イスラエルとの会談「無意味」、ヒズボラ指導者 レバ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事の新シナリオ
特集:台湾有事の新シナリオ
2026年4月21日号(4/14発売)

地域紛争の「大前提」を変えた米・イラン戦争が台湾侵攻の展開に及ぼす影響をシミュレーション

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本は「イノベーションのやり方」を忘れた...ホンダ「EV撤退」が示す、日本が失った力の正体
  • 2
    「いい加減にして...」ケンダル・ジェンナーの「目のやり場に困る」姿にネット騒然
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    トランプがまた暴走?「イラン海上封鎖」の勝算
  • 7
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 8
    「違法レベル...」ゼンデイヤの「完全に透けて見える…
  • 9
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 10
    BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音楽市場で…
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 8
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中