最新記事
SDGs

愛知の油脂メーカーに産業医が「社員の血中脂質が高い」指摘...「健康経営」に舵を切った効果は?

WORKING ON WORKERS HEALTH

2025年7月25日(金)17時25分
森田優介(ニューズウィーク日本版デジタル編集長)
太田油脂では従業員(非正規を含む)の6割を占める女性が活躍

太田油脂では従業員(非正規を含む)の6割を占める女性が活躍 COURTESY OF OTA OIL

<消費者向けに健康志向の商品も販売する、創業123年の太田油脂。人手不足も背景に、従業員の健康づくりに取り組むことになった>

健康志向の高まりから、人気の高い「えごま油」。オメガ3脂肪酸を豊富に含み、生活習慣病の予防効果などが期待できる。このえごま油を1988年に日本で初めて商品化したのが、創業123年の愛知県岡崎市の油脂メーカー、太田油脂だ。

油脂製品の受託事業を生業としてきた従業員300人弱の老舗企業だが、現社長の太田健介が2003年に入社した頃から、自社ブランドの消費者向け商品に着手した。今ではえごま油、亜麻仁油や菜種油から、アレルギー体質の幼児向けおやつまで、健康志向の商品を販売している。現在もBtoB事業が売り上げの9割を占めるが、家庭用のえごま油は看板商品になった。

太田油脂が家庭向けに販売する健康志向の商品

太田油脂が家庭向けに販売する健康志向の商品(左から「えごまオイル180g」、小袋に入った機能性表示食品の「血圧が高めの方の毎日えごまオイル」、アレルギー対応のおやつ「こめ粉ロールクッキー」) COURTESY OF OTA OIL

しかし産業医から、鋭い指摘をされる。「コレステロールや中性脂肪など血中脂質の高い社員が多い」。健康志向の商品を売っているにもかかわらず、というわけだ。


太田油脂は早くから、使用済みの油をバイオディーゼル燃料に転換し、油かすから飼料や肥料を作るなど資源循環に力を入れていた。しかしそれだけでは十分でない──。この指摘をきっかけに、2018年からは従業員の健康づくりにも取り組むことになった。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独ZEW景気期待指数、12月は45.8に上昇 予想

ワールド

ウクライナ提案のクリスマス停戦、和平合意成立次第=

ビジネス

EUの炭素国境調整措置、自動車部品や冷蔵庫などに拡

ビジネス

EU、自動車業界の圧力でエンジン車禁止を緩和へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中