最新記事
SDGsパートナー

アフリカの教育改革へ、SL Creations・ユニセフ基金に込めた創業の信念

2024年12月5日(木)16時48分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
アフリカの教育改革へ、SL Creationsの挑戦—ユニセフ基金に込めた創業の信念

SL Creationsの支援により、2023年5月に完成したアフリカ東部の島国マダガスカルのベヴィティカ中学校の新校舎

<株式会社SL Creationsは、食文化の一翼を担う企業として社会に貢献したいとの創業時からの強い思いで、1991年に「SL Creations・ユニセフ基金」を設立。基金を通じて、「すべての子どもが質の高い教育を受けられる社会」を目指し、アフリカでの教育支援活動を続けている>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

食品会社として水・食糧の提供を皮切りに子どもたちの教育支援へ

世界中で約6,700 万人----。これは、小学校に通うことのできない子どもの数だ。その多くは開発途上国に集中しており、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の調査によると、サハラ以南のアフリカでは、学齢期にある子どもの5人に1人が小学校に通えていない状況だという。

2000年以降、南アジアをはじめとする多くの地域では、急速な経済成長や支援団体などの尽力によって教育環境が改善し、就学率も上がってきた。しかし、サハラ以南のアフリカの教育問題については対策が遅れたまま。貧困や学校の不足、紛争、男女格差などが影響して、子どもたちが十分な教育が受けられない状況が続いている。

そうしたなか、アフリカの子どもたちのために、地道な教育支援活動を続けているのが株式会社SL Creationsだ。

シュガーレディ

全国に10000人以上いるシュガーレディ

同社は1970年の創業以来、安心・安全な食品にこだわり、全国13都道府県18地域で食品・食材の宅配サービス事業を展開する、フードデリバリー業界の老舗企業。販売員につけられた、「シュガーレディ」の愛称を聞いたことがある人も多いのではないだろうか。では、なぜ宅配サービスの企業がアフリカの教育支援を行うようになったのか。販売企画統括本部 販売企画部 広報室の秋山里実氏は、活動の背景をこう語る。

「日本では戦後、ユニセフを通じて世界中から粉ミルクや医療品などの支援を受けたことで、多くの子どもたちが救われました。そうした事実を受け、弊社では創業時から『食文化の一翼を担う企業として、社会に貢献したい』という思いを強く持っていたのです。現在は、食にとどまらない支援を行っていますが、当初の思いはずっと継承されています」

その言葉通り、同社は長年にわたって社会貢献活動に取り組んできた。1986年、ユニセフを通じてスーダンに井戸の掘削資金を寄付すると、91年には「SL Creations・ユニセフ基金」を創設。マラウイの子どもたちへの栄養改善プロジェクトや、ブータンにおける給水・衛生施設の設置プロジェクト、東日本大震災時の被災地支援など、基金を活用した数多くの支援活動を行ってきた。

「SL Creations・ユニセフ基金は、創業者や社員、販売員の思いが結実した取り組みであり、食糧難や病気にあえぐアフリカの子どもたちの支援をはじめ、さまざまなユニセフのプロジェクトに活用されています」(秋山氏)

2014年からは、アフリカの子どもたちを命の危険や人権侵害などのリスクから守るためには教育が必要との考えから、ユニセフによる教育支援プログラム「スクール・フォー・アフリカ」を通じてマダガスカルへの支援を開始した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米FDIC、銀行の資本要件を緩和する規則案を承認

ビジネス

豪CPI、10月は前年比+3.8%に加速 利下げ観

ワールド

米教育省、UCバークレー校の安全対策調査 保守系団

ビジネス

英政府、26年の最低賃金4.1%引き上げを承認
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 10
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中