最新記事
受験

「ノートが汚い=頭が悪い」は大きな誤解...東大生に共通していた意外な特徴

2026年1月2日(金)09時07分
新倉 和花(東大卒教育ライター、麻雀プロ)、東大カルペ・ディエム(東大生集団)*PRESIDENT Onlineからの転載

"上位1割"に食い込むほどに成長

ある日の授業後、計算テストの追試に挑む彼に対して、私は特別な条件を与えてみました。「今日は時間制限なし。答案の"きれいさ"で採点する」と伝えて問題を解かせたのです。

すると、最初は丁寧に書くことに不慣れで、ぎこちない様子だったものの、通常の倍以上の時間をかけて丁寧な答案を仕上げてきました。驚くほど読みやすく、もちろん全問正解。本人も「落ち着いてやれば自分はできるんだ」と気づいたようで、表情が明るくなったのを覚えています。


この経験をきっかけに、彼は「答案をきれいに書くことの大切さ」を実感したようで、普段のノートにも自然と気を配るようになりました。余白を取り、式と説明をそろえて書く習慣が身についたのです。

すると不思議なもので、ノートが整理されていくと同時に、自分でも学習内容を振り返りやすくなり、成績も順調に伸びていきました。ミスの原因を後から確認できるようになったことも大きかったのだと見ています。

当初は塾内の模試で下位3割ほどにいましたが、中3の時点では上位1割に食い込んでいたのです(その後、彼は東京大学に合格を果たしました)。

"裏紙に書きなぐっていた"東大理三合格者

「そうはいっても、うちの子は本当に大丈夫なの?」と思われる方もいるかもしれません。そこで参考になるのが、実際の東大理科Ⅲ類(理Ⅲ)合格者のノートです。

私たちカルペ・ディエムでは、今年、日本の大学受験で最高峰とされる東京大学理科三類の合格者29人にインタビューを行いました〔東大カルペ・ディエム(著、編集)、西岡壱誠(監修)、じゅそうけん(監修)『東大理III 合格の秘訣 Vol.40 2025』(笠間書院)〕。その際にノートを見せてもらうと、世間で「美しい」ともてはやされた"東大ノート"のイメージとはかなり違っている合格者がいることに驚きました。裏紙に書き殴っていたという合格者もいたのです。

newsweekjp20251226081407.jpg

【写真3】東大理三合格者の"ノート" 裏紙に書きなぐられた数学の方程式)

彼ももちろん試験本番などの答案では綺麗に書いているのだそうですが、理三合格者でも日頃から常に美しいノートを取っているわけではない、という事例です。

ここまで見てきた通り、ノートが汚いことを「能力不足」と結びつけるのは尚早かもしれません。思考のスピードに手が追いついていない可能性が非常に高く、技術さえ身につけられれば自然と改善していくのです。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

サプライチェーン圧力上昇、3月は23年1月以来の高

ビジネス

FRB利下げ可能、AIによる生産性向上で物価下押し

ワールド

レバノンのキリスト教政党幹部死亡、イスラエル空爆で

ワールド

米BNYメロン、「トランプ口座」の財務代理機関に 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 4
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 5
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 6
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 7
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    イラン戦争は「ハルマゲドンの前兆」か? トランプ…
  • 10
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 9
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 10
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中