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老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン

2025年11月19日(水)16時30分
井戸 美枝(ファイナンシャル・プランナー CFP認定者)*PRESIDENT Onlineからの転載

健康寿命と平均寿命のギャップを考える

Q お金を使う不安を払拭するには?

A 人生年表を作り収支の流れの整理を

人生の後半で「お金を使ってよかった」と思える支出をするためには、直感ではなく、具体的に使い方を考えていくことが大切です。まず取り組みたいのが、自分の人生年表を作ることです。

「60歳で仕事を引退、65歳で夫婦旅行、70歳で家のリフォーム、75歳で車を手放す」など、時系列でイベントと支出を並べると、お金を使うタイミングが明確になります。

次に重要なのが、健康寿命と平均寿命のギャップを意識すること。2022年の調査では日本人男性の健康寿命は約72.6歳、女性は約75.4歳で、それ以降は身体の自由が利きにくくなる傾向にあります。この「元気なうち」の時間をいかに活用するかが、人生の満足度を左右します。


大切なのは「フロー」を管理する意識

最後に、収支の流れを「PL表(損益計算書)」のように整理し、毎月の生活費が収入で賄えているか、特別支出は貯蓄で補えるかを確認しましょう。多くの人が「ストック(貯蓄)」ばかりを気にしますが、老後資金を考える上で大切なのは、毎月入ってくるお金と出ていくお金「フロー」を管理する意識です。

収入は、年金や退職金など、定年後に受け取れる収入源をチェックシートで明確化します。特に年金は、「ねんきん定期便」や公的年金シミュレーターを活用し、将来の年金見込み額を把握することが重要です。

一方で老後の主な支出は3つあります。

① 日々の生活費...食費、光熱費など

② 特別支出...家電や車の買い替え費、旅行代、冠婚葬祭費など

③ 医療費、介護費など

③の費用は、毎月のフローではなくストック(貯蓄)から確保することを想定します。医療費と介護費の総額は、平均約949万円(※)で、ざっくり1人当たり1000万円程度と考えておけばよいでしょう。

フローが赤字になりそうな場合は、固定費を見直すことも大切です。住居費、保険料、通信費など、長期間にわたって支出が続くものは、生活の質を下げずに減らせるポイントを見つけることを意識しましょう。

※老後の医療費と介護費の総額は、厚生労働省保険局「医療給付実態調査報告」(2022年)と、生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(2024年)のデータを基に著者が試算した額

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