最新記事
健康

「1日3杯」お茶とコーヒーが「がんの治療成績」を改善する可能性...代謝経路で抑制か【最新研究】

Drinking Tea and Coffee Linked to Improved Cancer Outcomes

2025年10月5日(日)11時20分
ハンナ・ミリントン

結果と課題

コーヒーとお茶の摂取はがん患者の生存率に好影響を与えるとされてきたものの、先行研究では必ずしも結論が一致していなかった。今回のシステマティック・レビュー(系統的レビュー)とメタ解析で、がんの種類ごとにコーヒー・お茶の摂取と生存率との関連性に関するエビデンスを整理することを目指したという。

ただし、前立腺がんでは有意な効果が見られず、他のがんについてはデータ不足であったという。


それでも、今回のメタ解析の結果は、がんの種類や飲料によって差はあるものの、コーヒーとお茶ががん生存率に防御機能を持つ可能性を示していると結論づけた。

特に摂取量の多いグループと少ないグループを比較すると、がん進行のリスクが24%低下していた。生存率改善との強い関連が見られ、お茶の方がコーヒーよりも特に効果が大きい傾向が示唆された(ただし、これは少数のリスク推定に基づく結果)。

コーヒーやお茶の有効性の理由については複数の説がある。がんの発生や進行を抑える生理活性物質や、がん細胞の増殖を制御する特定のポリフェノール、抗酸化作用や抗炎症作用が関与している可能性があると研究チームはいう。

ただし、観察研究であることや、対象研究数が限られているという制約がある。今後は、生活習慣や消費習慣を詳細に調査する大規模かつコホート研究が必要であるとした上で次のように述べる。

「がん予防に関わる特定の生理活性物質を特定できれば、臨床試験の設計や治療への応用につながり、最終的に患者の健康に寄与する可能性があります」


【参考文献】
Romelli, M., Gnagnarella, P., Gaeta, A., Serrano, D., Ermini, I., Cavalcabo', N. D. B., Saieva, C., Iadevaia, S., Gandini, S., & Caini, S. (2025). Coffee and tea intake and survival of cancer patients: A systematic review and meta-analysis. Cancer Causes & Control.

ニューズウィーク日本版 AI兵士の新しい戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月13号(1月6日発売)は「AI兵士の新しい戦争」特集。ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米財務長官、利下げ再要求 減税措置は26年に経済の

ワールド

EXCLUSIVE-米、グリーンランド編入狙い一時

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長人選「決定済み」 名前明

ワールド

英首相、トランプ氏と電話会談 北極圏でのロシア抑止
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 7
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 8
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 9
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 10
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 8
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 9
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中