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「1日3杯」お茶とコーヒーが「がんの治療成績」を改善する可能性...代謝経路で抑制か【最新研究】

Drinking Tea and Coffee Linked to Improved Cancer Outcomes

2025年10月5日(日)11時20分
ハンナ・ミリントン
コーヒーとお茶

Oksana Karuna-shutterstock

<コーヒーやお茶の摂取が生存率の改善に関与するという国際研究について>

お茶やコーヒーを飲むことで、がんの治療成績を改善する可能性があるという、イタリアの欧州腫瘍学研究所による国際研究の結果が発表された。

具体的には、コーヒーやお茶の摂取量が多い患者では、がん進行リスクが24%低下することが確認された。これらの飲料が病気に対する「防御機能」を果たす可能性があるという。


コーヒーとお茶の両方に効果が認められたが、特にお茶の方がコーヒーよりも強い影響が示された。「コーヒーと茶には、腫瘍の進行を阻害し、生存期間を延長させる可能性を秘めた複数の代謝経路を調節する作用があることが示唆される」と研究チームは記している。

1993年から2023年にかけて、アメリカ、アジア、欧州、オーストラリアのがん患者4万人以上を対象にした26件の前向き研究(Prospective Study)を分析。

内訳は、大腸がんに関する研究9件、乳がん9件、前立腺がん4件、卵巣・肝臓・膀胱など他のがんが4件。被験者の平均年齢は46〜69歳だった。

本研究では、診断前後のコーヒーやお茶の摂取量(高摂取と低摂取)と、がんの再発・進行・死亡との関連を比較した。対象にはカフェイン入りとノンカフェインコーヒー、紅茶と緑茶が含まれるが、ハーブティーは除外された。

最も強い防御効果が確認されたのは大腸がんで、乳がんではお茶のみが一部の分析でリスク低下を示した(アメリカがん協会によると、大腸がんは男女ともに3番目に多いがんであり、乳がんは女性で最も多いがんとされる。ただし皮膚がんを除く)。

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