「SPF50でも不十分?」...皮膚科専門医が明かす「紫外線との正しい付き合い方」とは
From Tanning Beds to SFP, America's Leading Skin Surgeons Debunk Sun Myths
一方、基底細胞がんや有棘細胞がんのような皮膚がんは、高齢者に多くみられる。メラノーマ(悪性黒色腫)が急性の強い紫外線による日焼けに起因するのに対し、これらは「長期的な紫外線の蓄積」が原因となる。
「紫外線を浴びた総量とがんのリスクは直結しています」と語るのはユー医師(ノースウェスタン記念病院)だ。「アメリカでは高齢化が進み、人々がより長生きするようになってきました。その結果、日光を浴びる機会も自然と増え、皮膚がんのリスクも高まっています」
また、アフリカ系やラテン系の患者にも皮膚がんは見られるが、リスクは白人が圧倒的に高いと指摘するのは、デイビス医師(リージェンシー・スペシャリティーズ)だ。アメリカ国立がん研究所の統計では、白人のメラノーマ(悪性黒色腫)罹患率はヒスパニック系の約8~10倍、アフリカ系の約25~40倍にのぼるという。
皮膚科にはいつ行けばいいのか?
コロナ禍では、医療機関の受診を控える人が多かった。その反動として、パンデミック後に診療を再開した際、より進行した皮膚がんの患者が目立ったとグリーンウェイ医師(スクリプスMDアンダーソンがんセンター)は振り返る。
現在はその傾向もやや落ち着いてきているが、屋外活動が好きな人が多い地域など、文化的・社会的要因によって今後の皮膚がん増加も予測されている。そのため、家族にがんの既往歴がある人や、自身が過去に皮膚がんと診断された人は「年2回」、そうでない人も「年1回」の皮膚科受診が推奨されている。
アーシ教授(スタンフォード大学医療センター)はこう助言する。