最新記事
美容

「ペプチド配合」は本当に効くのか?...「スキンケア業界」は熱視線も、科学者がダンマリの理由【美容最前線】

Skincare’s “It Ingredient”

2025年6月11日(水)14時55分
アナ・ギブス(ライター)
日焼け止め

万能コスメメーカー各社はペプチド入り製品(右ページ)の効果をうたうが、確実に肌にいいのは日焼け止め ME DIA/SHUTTERSTOCK (HANDS)

<お肌のアンチエイジングの新たな「万能薬」になるのか。効果はメーカー保証付きだが、そのエビデンスは? 唯一効果が実証されているものは「身近か」に...>

今どきのコスメは「ペプチド成分配合」をうたうものばかり。

高級クレンジング剤、ヒアルロン酸配合美容液、保湿剤に化粧水、ピーリング製品やフェイスマスクといったスキンケア製品から、マスカラ、アイシャドー、チークといったメーク用の製品まで、数え上げたら切りがない。

高級ファッション誌ヴォーグは昨年末、ペプチド(複数のアミノ酸が結合した化合物)は「今やスキンケア業界のお気に入りの成分の1つ」だと伝え、美容・ファッションサイト「ハイプベイ」も今年4月、「スキンケアはペプチドの時代」だと評した。


 

だが、ファッション同様、スキンケアにもはやり廃りがある。数年後にはレチノールやナイアシンアミド酸に関心が移っているかもしれないと、化粧品化学者でポッドキャスト「ビューティー・ブレインズ」の共同司会者のバレリー・ジョージは予測する。

私たちの体内の天然ペプチドは細胞内でメッセンジャーの役割を果たし、「コラーゲンの合成」「皮膚の修復」などを細胞に指示する。

スキンケア製品に人工ペプチドを配合する目的はこれらの自然なプロセスの強化。細胞にメモを渡して指図するように、理論的には「ほぼ全ての用途に合わせてペプチドを作れる」とジョージは言う。

医学の世界では、ペプチドは癌治療から痛みの緩和まであらゆる分野で強力なツールとして研究されている。最も有名なのは糖尿病治療に使われる合成インスリンだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

インド西部で離陸直後市街地に墜落、死者多数 英国行

ビジネス

ECB金利は適切な水準、インフレ低下は一時的=シュ

ビジネス

独主要シンクタンク、25年成長率を上方修正 財政拡

ワールド

IAEA理事会、イラン非難決議採択 イランは対抗措
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 2
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 5
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 6
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 7
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 8
    【クイズ】今日は満月...6月の満月が「ストロベリー…
  • 9
    みるみる傾く船体、乗客は次々と海に...バリ島近海で…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 3
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット騒然の「食パン座り」
  • 4
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未…
  • 5
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 6
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 7
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 8
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 9
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 10
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中