「韓国の病院はスパみたい」...若手建築家のSNSで注目が集まる「神経建築学」とは? デザインは心を救う?

Design for the Mind

2025年5月28日(水)14時53分
メリッサ・フルール・アフシャー(本誌ライフ・トレンド担当)

上空から見たアマゾン本社の施設スフィアーズ

上空から見たアマゾン本社の施設スフィアーズ SIMONKR/GETTY

動画では、対照的な事例が紹介される。例えば、典型的な薄暗い社内と明るくて心地いいワークスペースだ。「よりストレスを感じるのは?」と、アンセルモは問いかける。

モダンで無機質な教会と装飾の多い古典的な教会、一般的な病院と、独自の緑化空間活用で有名なシンガポールのクー・テクバ(Khoo Teck Puat)病院も比較する。


「神経建築学」の重要性

動画のテロップでは、深い問いも投げかけられる。「環境に振り回されるタイプ? そうなら、どのように? これは基本的に、建造環境との相互作用を研究するニューロ・アーキテクチャー(神経建築学)の問題です」

ニューロ・アーキテクチャーは人工的な空間が人間の脳や行動、感情に与える影響を研究する分野で、その重要性は増す一方だ。神経科学や心理学を基に、ストレス度や認知能力、ウェルビーイングに対する光や空間、音響、植物の影響に目を向けている。

アンセルモにとって、これは単なるデザイン哲学にとどまらない。複雑そうに聞こえるかもしれないが、基本精神は単純明快だ。空間に自然光や特徴のあるデザイン、草木を導入して、空間内部での体験をより生き生きとしたものにすることを目指している。

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