悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替えて行こう!と、説いたアランの「幸福論」【3分だけ哲学】
体の動きが、逆に精神に影響するというのは、現代では心理学や脳科学で明らかになっています。よって、悩みは心だけではなく、体の状態も含めて解決が必要とされます。
いやな人に会ったら、まず微笑む
アランは身体的な問題が、精神に影響することを以下のように説明しています。「誰かが苛立ったり不機嫌であったりするのは、往々にして、その人があまりにも長い間立ちどおしでいたことから生じる」のであり、そのときには「その人に椅子を差し出してあげよ」(同前)。
また、いつもポジティブである努力をしないと幸福にはなれないといいます。「どこに行ってもいやな顔をしてみせる」とか、「人のいやがることに専念しているくせに、気に入ってもらえないことに驚いている」、また「自分の気分から不機嫌になる」。これではダメなのです。
よって、「寒いな。身を切るような寒さだ。これが健康にいちばんいいんだ!」とわざと言う態度が大切だとされます。アランによれば、落ち込んでいる人は、「自分に義務を課して、自分をしばりつけている。自分の苦痛を愛撫している」状態で、「かんしゃく虫のいる子供」のようになってしまうのです。
そんなときは、あんまり自分の気分の方に意識をもっていかない方がよいようです。「自分の気分」に意識を向けずに「無関心」になることで気分が落ち着くとされます。「情念にとらわれ」「いらいらする」という状態になったら、そこからいったん離れればよいというわけです。
また、アランは、「いやな人間に会ったなら、まず笑顔を見せてあげることが必要」と言っています。優しさ、親切、快活さなどを心がけて、お辞儀したり微笑したりせよと言います。