悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替えて行こう!と、説いたアランの「幸福論」【3分だけ哲学】
悲しみは風邪だと思ってやり過ごし、体を動かす
「生きる秘訣は、自分のした決心や自分のやっている職業について決して自分自身とケンカしないこと」とも書いています。アランは、悲しみは風邪と同じようなものだから、我慢していれば自然に治ると説きます。「心の悲しみをおなかの痛みのように考えるのだ」。気分が落ち込んだら、それを責めないで、ただ耐えるということをすることがすすめられます。
さらに、人は、暇になるとあれこれ考えてしまうので、体を動かして忙しくした方がいいそうです。幸福になるには、不幸になるような癖をなくさなければいけません。悩んでいることの理由を追究するとよけいに悩みが深くなってしまいます。
人は、幸福になるとどうも居心地が悪くて、あえて不幸な気分に戻ってしまうという癖があるそうです。また、人は自分の影に追いつくことはできません。だから、幸福も自分の影のように逃げてしまうとあきらめる人が多いものです。でも、アランは、現実的に幸福を手に入ることを求めれば、それは得られると言っています。
さらに、アランは上機嫌法をすすめます。これは、『幸福論』の中でも重要な修行法となります。まず、ネガティブなことを言ってくる人がいたら、心が鍛えられると思って、それを受け入れます。嫌味を言われたり、非難されたりしても、心を鍛える機会と考えます。
応用編では、わざと自分にとってネガティブなことを言う人のそばに近づいて、その話を聞きます。そして、「今日は強烈な一発が来るな」と考えて、ウキウキするのだそうです。心の筋トレのようなものでしょう。最近は、誹謗中傷やいじめが多いので、この考え方は大いに役立つことだと思います。
富増章成(とます・あきなり)
河合塾やその他大手予備校で「日本史」「倫理」「現代社会」などを担当。中央大学文学部哲学科卒業後、上智大学神学部に学ぶ。歴史をはじめ、哲学や宗教などのわかりにくい部分を読者の実感に寄り添った、身近な視点で解きほぐすことで定評がある。
著書に『超訳 哲学者図鑑』(かんき出版)、『読破できない難解な本がわかる本』(ダイヤモンド社)、『図解でわかる! ニーチェの考え方』『図解 世界一わかりやすい キリスト教』『誰でも簡単に幸せを感じる方法はアランの「幸福論」に書いてあった』(以上、KADOKAWA)、『日本史《伝説》になった100人』(王様文庫/三笠書房)、『オッサンになる人、ならない人』(PHP研究所)、『哲学の小径―世界は謎に満ちている! 』(講談社)、『空想哲学読本』(宝島社文庫)など多数。
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