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読書は「認知機能の低下を防ぐ」「メンタルヘルスと関係」「死亡率が下がる」でもネットはダメ

My Reading Resolution

2025年1月17日(金)11時00分
アブドラ・シヒパー(米ブラウン大学公衆衛生大学院研究員)

脳の集中力を強化する

読書を単なる娯楽ではなく、頭の体操と考えてもいいかもしれない。筋肉を鍛えるように、脳にも定期的に刺激を与え集中力を強化する必要がある。短時間の運動でも、定期的に行えば効果があることは周知の事実だ。

私は1週間、これを読書で実践することにした。朝と晩に15分ずつ、1日合計30分読書することを目標にしたのだ。また、気が散らないようデバイスではなく紙の本で読書するようにした。


カリフォルニア大学ロサンゼルス校の神経科学者メアリアン・ウルフは、ゆっくりと時間をかける人間の処理能力にテクノロジーが影響を及ぼしていると主張する。彼女によれば、ネット上で文章を読むのは読書というより斜め読みにすぎない。その結果、読書に集中し関心を向ける「認知的忍耐力」が低下するという。

私は読書に喜びを見いだすだけでなく、この認知的忍耐力の筋肉も鍛えたくなった。

1週間の「読書トレーニング」を続けて、いくつかのことに気付いた。何より、新しい本の最初の難関を突破するのが劇的に楽になった。読み始めのうちは、登場人物やテーマや著者の文体に慣れて没入するのに苦労するもの。だが毎日、読書だけをする時間を設けたことで、集中して入り込むのが容易になった。

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