最新記事
株の基礎知識

いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グラフ」から強さを比べる

2024年5月7日(火)16時45分
山下耕太郎 ※かぶまどより転載

ST倍率でも日米比較ができる

ND倍率と同様に、日本とアメリカの株式市場の相対的なパフォーマンスを示す指標として、「ST倍率」があります。ST倍率は、S&P500種株価指数(S&P500)を東証株価指数(TOPIX)で割ったものです。

●ST倍率 = S&P500 ÷ TOPIX

S&P500はアメリカの主要株価指数のひとつで、ニューヨーク証券取引所やナスダック市場などに上場する500銘柄の時価総額をベースにした指数です。一方、TOPIXは東証プライム上場の全銘柄を対象として、1968年1月4日の時価総額を100として指数化したものです。

ST倍率は、現在S&P500が強いのか、それともTOPIXが強いのかがわかる日米の相対株価の指標です。ST倍率の上昇は、アメリカ株に対する相対的な日本株の好調を示し、ST倍率の下落は、アメリカ株に対する相対的な日本株の出遅れを示します。

2024年3月時点のST倍率は、2倍前後で推移しています。

newsweekjp_20240507073311.png

(参考記事)あなたは高値で買えますか? プロトレーダーが語る「勝つためにいちばん大事なこと」【株初心者のための13選】

国内ではNT倍率にも注目

日本の株式市場を評価する指標として「NT倍率」があります。NT倍率は日経平均株価をTOPIXで割ったもので、2つの指数の相対的な強さを示します。

●NT倍率 = 日経平均株価 ÷ TOPIX

日経平均株価の上昇率がTOPIXより高いときはNT倍率が上昇し、TOPIXの上昇率が日経平均株価より高いときにはNT倍率は下降します。

NT倍率の標準は10~15倍前後とされています。この標準値を上回っているか、それとも下回っているかが、相場の状況を判断する際のひとつの目安となります。

newsweekjp_20240507073326.png

日経平均株価は過去最高値を更新しましたが、TOPIXはまだ最高値に届いていません。今後、出遅れているTOPIXの上昇によるNT倍率の低下があるのかどうかにも注目が集まります。

日経平均株価がどこまで上がるのかに注目が集まりますが、他の株価指数との比較もあわせて見ることで、より幅広い視野で相場を見ることができるようになるでしょう。

[執筆者]
山下耕太郎(やました・こうたろう)
一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴20年以上。現在は、日経225先物・オプションを中心に、現物株・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。趣味は、ウィンドサーフィン。ツイッター@yanta2011 先物オプション奮闘日誌

※当記事は「かぶまど」の提供記事です
kabumado_newlogo200-2021.jpg

ニューズウィーク日本版 健康長寿の筋トレ入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月2日号(8月26日発売)は「健康長寿の筋トレ入門」特集。なかやまきんに君直伝レッスン/1日5分のエキセントリック運動

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

フォードの電池工場、従業員が労組結成支持 UAWが

ワールド

香港「リンゴ日報」創業者の国安法裁判が結審、判決は

ビジネス

再送バークシャーが三菱商事の保有株積み増し、10.

ビジネス

追加利上げ、直近の短観織り込み「都度判断」=中川日
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    「どんな知能してるんだ」「自分の家かよ...」屋内に侵入してきたクマが見せた「目を疑う行動」にネット戦慄
  • 3
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪悪感も中毒も断ち切る「2つの習慣」
  • 4
    【クイズ】1位はアメリカ...稼働中の「原子力発電所…
  • 5
    「ガソリンスタンドに行列」...ウクライナの反撃が「…
  • 6
    「1日1万歩」より効く!? 海外SNSで話題、日本発・新…
  • 7
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 8
    イタリアの「オーバーツーリズム」が止まらない...草…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    「美しく、恐ろしい...」アメリカを襲った大型ハリケ…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 5
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 8
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 9
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 10
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 10
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中