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地方出身の「負け犬」から「21世紀のビートルズ」へ...BTSが世界の若者を熱狂させる理由

BTS AND “NEO-KOREA”

2026年3月25日(水)16時25分
クォン・ヨンソク (一橋大学大学院法学研究科准教授)

「恨」の呪縛から人々を解放

今回のアルバムも、19世紀末にアメリカで韓国人留学生によってアリランが録音された物語をモチーフにしている。まさに、ビルボード1位を獲得したBTSを象徴する物語だが、アリランは本来、恨の歌ではなく、現代のKポップにつながる要素のある軽快な曲だとも確認された。

BTSはアリランの恨を昇華させ、グローバルな文化空間に位置付けた。韓国人が恨の呪縛から解き放たれることを意味し、この功績は計り知れない。そこから導き出される新たな韓国像は、過去の恨と悲哀とネガティブ志向から脱却し、普遍的価値を基に世界を先導するポジティブな「新韓国(ネオコリア)」と言えよう。


つまりBTSの復帰は、伝統と現代の調和、韓国と世界の融和、恨からの解放、民主主義と普遍的価値を重んじ世界市民と連帯しようとする「新韓国」の誕生を意味する。「最も韓国的なものが世界的」といわれるように、BTSはルーツとしての韓国を隠すことなく堂々とぶつけてきた。その結果、「世界へ」飛び立つのではなく、「世界を」韓国に呼び寄せた。歴史上、これほど多くの外国人が韓国に一堂に会することはなかった。世界に発信される光化門とアリランを通じて、隠すことも気張ることもない、ありのままの韓国でいいということが確認された。世界との距離を縮めただけでなく、世界という「壁」を壊した瞬間でもある。

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