地方出身の「負け犬」から「21世紀のビートルズ」へ...BTSが世界の若者を熱狂させる理由
BTS AND “NEO-KOREA”
韓国民主主義のカムバック
そのBTSが復活の舞台に選んだのが光化門広場であり、楽曲がアリランだ。かつては統治と権力の空間であった光化門が市民のアゴラ(公共空間)へと変貌する契機になったのが1987年の民主抗争だ。その時、広場では市民が民衆歌謡「朝露(アチミスル)」を大合唱した。韓国民主化はKポップの存在と切り離せない。その後、16年の「ろうそく革命」を経て、光化門広場は韓国民主主義の聖地となった。
24年の非常戒厳令下、市民が素手で立ち向かい民主主義を守った「光の革命」でも、Kポップとペンライトが重要な役割を果たした。その広場でBTSが光を使ったパフォーマンスを行ったことは、光の革命へのオマージュであり、民主主義と文化を根幹とする大韓民国のカムバック「韓バック」を祝う舞台だというのは深読みすぎだろうか。光化門広場は将来にわたり、BTSとKポップの聖地になることだろう。
BTS人気の秘訣にその物語性があるが、新アルバムも韓国の第2の国歌といわれるアリランをモチーフにした。アリランはご存じのように自分の境遇への嘆きや「恨(ハン)」という韓民族の不遇と被害者意識の象徴であり、どちらかというと後ろ向きなイメージが強かった。だがBTSは以前、アリランをKポップ風にアレンジして見事に再生させたことがある。16年のパリのステージでの軽快なダンスとパリの人々が熱狂するそのライブ映像に、僕は思わず感激の涙を流したものだ(実は僕はこれでARMYに入隊した)。





