スパイ映画はこれで「復活」した...『ブラックバッグ』が描き出す、世界一危険な「職場恋愛」の心理劇

State of Love and Trust

2025年10月3日(金)18時00分
ジャネー・ボールデン(ライター)

諜報活動も恋愛も、同じくらい欺瞞に満ちている。ペイジはその緊張感を、個人の欲求と、世界を揺るがしかねない重大な事態とのせめぎ合いと表現する。

「職業上の責任と私生活の複雑な関係を描いている。世界の命運が懸かった状況で、規則を厳格に守ることがいかに難しいか。人間であるということは傷つきやすいということであり、人間には親密な愛情が必要であり、それがこの作品の核心だ」


このバランスはクラリサにとっても核心的なもので、フレディとの恋愛が興奮と安心の源になっている。

「彼女は(諜報の)経験が浅く、フレディはベテランでこの世界を知り尽くしている。そのことは彼女にとって魅力であり、同時に安心も与えてくれる」と、クラリサを演じたアベラは語る。

物語の中で最も興味深い要素の1つが「ブラックバッグ」だ。諜報活動の世界では、「ブラックバッグ作戦」は極秘任務のこと。一方で、カップルの間で核心を突く質問に答えたくないときに、「ブラックバッグ(黒い袋)」に入れておくといった比喩にも使われている。

その駆け引きを楽しんだと、ファスベンダーは語る。

「結婚生活をどのように維持するか。何を相手に明かし、何を秘密にするか。隠したいことをブラックバッグに詰め込みすぎると、いずれ自分に跳ね返ってくる」

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