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なぜ信じてしまうのか? 元信者が語る旧統一教会が使う『心を操る』テクニックの真相

2025年10月6日(月)10時00分
多田文明(ルポライター)*PRESIDENT Onlineからの転載

「人助けをしてあげたい」という心理を悪用

その後、老人ホームの業者から「あなたの名前で申し込みがあったが、本人確認をしたら別人であることがわかりました。これは名義貸しという犯罪行為になりますので、訴えさせてもらいます」などといいがかりをつけられます。

そして、偽の弁護士なども登場し、示談金などの名目で金銭を要求されて、多額のお金をだまし取られてしまうのです。

この手口では「人助けをしてあげたい」という心理を悪用し、同意の言葉を引き出しています。このように、詐欺グループは、自ら動きたくなる気持ちをつくり出し、うなずかせることが得意なのです。


同じような手口が、旧統一教会の高額献金でも行われていました。

まず、多額の貯蓄があると見込んだ信者を「家系図を取りましょう」と呼び出し、父、母、子どもだけでなく、親族すべての名前をあげさせ、鑑定士役が家系図を作成します。

そして家系図を見ながら「親族をみると多くの人が病気や事故で亡くなり、悲惨な人生を歩んでいます。相当深い先祖の悪因縁があってこうなっています」と深刻な様子で話します。

さらに「その原因は、お金の恨みであり、強欲に人々からお金を奪い取った報いが因縁となっています。

このままでは、もっと多くの方が亡くなります」と不幸な目にあうことを告げられ、不安になっているところに「これまでのお金は悪のために使われてきたので、これからは善のために使わなければなりません。わかりますね」と告げます。

信者はうなずき、鑑定士役は「あなたには親、子ども、親族を救う使命があります」とさらにダメを押します。

「○○しなさい」とは直接いわない

旧統一教会の教義では、神(統一教会)のためにお金を使うことは「善」と教えられているので、この話を聞いた信者は「自分には悪因縁を解いて多くの親、兄弟、親族を幸せに導く使命がある。そのためにも、お金を捧げなければならない」と思い込むようになるのです。

そのとき、鑑定士役は「○百万円の献金をしなさい」と直接には、いいません。「どうしますか?」と尋ね、本人の口から「○○百万円献金します」といわせるのです。

もし、そのときの金額が目標額より少なかった場合には、聖書における次のような話をすることもあります。

「聖書では、お金持ちと貧しい人が献金箱にお金を投げ入れたお話があります。お金持ちは多額の献金をしました。しかし、貧しい人は銅貨2枚しか献金しませんでした。しかし、これを見ていたイエス様はなんといったと思いますか?」

わからない様子で首を傾げる相手に「イエス様は『この貧しい人は、どの人よりもたくさん投げ入れた』といいました。それに対して『お金持ちは、自分の持っている有り余るなかから、お金を投げ入れましたが、この貧しい人は、持っていた生活費すべてを投げ入れた』といっています」というのです。

これを聞いた信者は自分の貯金の一部しか献金しないことを恥じて、全財産に近い金額を申し出るようになります。

巧みな話術を使う者たちは「○○しなさい」とは直接いわずに「どうしますか?」と尋ね、自ら行動を起こさせるように仕向けてきます。そのきっかけとして、人の良心や使命感をうまくコントロールし、誘導してくるのです。


POINT:人の使命感をうまくコントロールし、「どうしますか? 」と尋ねて自ら行動を起こさせる

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