最新記事
映画

実話とは思えない...水深91mの海底からの救出劇『ラスト・ブレス』が描く「絶対に諦めない男」の狂気

In at the Deep End

2025年9月26日(金)13時18分
ジャネー・ボールデン(ライター)
映画『ラスト・ブレス』ベテラン潜水士ダンカン・オールコック役を演じるウディ・ハレルソン(Woody Harrelson)

映画『ラスト・ブレス』潜水士の救出を誓うダンカン FOCUS FEATURES

<刻々と迫り来る命の期限に挑んだ男たち。撮影も命がけ。潜水中の俳優の機材が故障するトラブルも──(ネタバレなし・レビュー)>

あまりに現実離れしていてとても実話とは思えない──アレックス・パーキンソン監督(Alex Parkinson)の映画『ラスト・ブレス(Last Breath)』もそんな物語の1つだ。あるプロの潜水士の身に実際に起きた出来事に基づいている。

舞台は水深91メートルの海底。潜水士たちがガス・パイプラインの補修作業を行っている最中に、潜水支援船にトラブルが発生する。それが原因で若き潜水士クリス・レモンズ(Chris Lemons)の命綱が切れ、船からの酸素供給も断たれてしまう。緊急用ボンベの酸素は10分しかもたない。


映画『ラスト・ブレス』予告篇

「いつもの仕事」が時間やテクノロジー、人間の持久力との闘いと化す。

主要キャストはクリス役にフィン・コール(Finn Cole)、彼と共に海底で作業に当たるデイブ・ユアサ役にシム・リウ(Simu Liu)。

2人の作業を潜水鐘(潜水士を深海に運ぶための加圧カプセル)から見守るベテラン潜水士ダンカン・オールコック役にウディ・ハレルソン(Woody Harrelson)。3人は迫真の演技で、危険で孤立した深海での長時間作業を可能にする飽和潜水の世界に観客を引き込む。

パーキンソンは自ら手がけた2019年の同名ドキュメンタリーを徹底的に練り直し、臨場感あふれるサスペンススリラーに仕上げている。

日本
【イベント】国税庁が浅草で「伝統的酒造り」ユネスコ無形文化遺産登録1周年記念イベントを開催。インバウンド客も魅了し、試飲体験も盛況!
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

医薬品メーカー、米国で350品目値上げ トランプ氏

ビジネス

中国、人民元バスケットのウエート調整 円に代わりウ

ワールド

台湾は31日も警戒態勢維持、中国大規模演習終了を発

ビジネス

中国、26年投資計画発表 420億ドル規模の「二大
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中