ドラマ版『エイリアン』には『ブレードランナー』的な魅力が――リドリー・スコットのDNAを継ぐ「非情」の世界
Mean and Honest Alien Franchise

2120年、人類は激動の瀬戸際にある。テック界の若き大物カバリエ(サミュエル・ブレンキン)は自らの理解が及ばないテクノロジーを基に「死のない未来」を構想する。
一方で宇宙から来た謎の怪物に人間が捕食される悪夢が始まろうとしていた。
資本主義と民主主義の実験を経て、私たちの現実世界は傲慢な政府と企業に支配された。『アース』は現実の激動を理解するために作られたドラマだ。カバリエ率いるプロディジー社がつくったハイブリッドの子供たちは、シリーズの集大成といえるだろう。
巨大多国籍企業ウェイランド・ユタニに雇われたサイボーグのモロー(バボー・シーセイ)は、オリジナルへのオマージュである第5話の中心人物に実にふさわしい。
1979年の第1作で衝撃を与えたウェイランド・ユタニ社製アンドロイド、アッシュの流れをくむキャラクターだ。
サイボーグはハイブリッドとともにホーリーが新たに加えたキャラクターだが、「機械と合体した人間は人間ではないのか」というサイバーパンク的な問いに彼の関心はない。主体性の隠喩として、サイボーグを提示する。





