選手の「まぶしさ抑制」と観客の「没入体験」を両立...新バスケアリーナ「TOYOTA ARENA TOKYO」が実現する「新しい観戦体験」とは

TOYOTA ARENA TOKYO PHOTO:TOMOHIRO IWANABE-NEWSWEEK JAPAN
<Bリーグ所属のプロバスケットボールチーム・アルバルク東京の新本拠地として10月にオープンする「TOYOTA ARENA TOKYO」。選手目線を徹底的に追求し、訪れた観客を「没入」させる数々の仕掛けとは? メディア向け内覧会でベールを脱いだ新アリーナの魅力を紹介する>
日本国内で高まりを見せるバスケットボール人気がさらに勢いを増しそうだ。Bリーグの強豪・アルバルク東京が2025-26シーズンからホームアリーナとして使用する「TOYOTA ARENA TOKYO(トヨタアリーナ東京)」(東京都江東区)が完成し、8月28日にメディア向け内覧会が開かれた。
収容人数は約1万人、コンサート利用では約8000人。国内でも有数の規模と最新設備を備えたアリーナが、バスケットボールをはじめ多彩なエンターテインメントの舞台として間もなく本格始動する。
近年、日本バスケットボール界は飛躍的な発展を遂げている。Bリーグ選手を中心に編成された男子日本代表は2023年のワールドカップで欧州の強豪国を相手に勝利を挙げ、パリ五輪の自力出場を勝ち取った。リーグの観客動員数もコロナ禍以降右肩上がり。そうした流れの中で誕生したのが、この「TOYOTA ARENA TOKYO」だ。
内覧会では、バスケットボール観戦に適した楕円(オーバル)型に設計されたメインアリーナが報道陣に初公開された。コートをぐるりと取り囲む観客席はどの位置からでも視界が開け、試合のダイナミックな躍動感を最大限に味わえる造りとなっている。
この「ダイナミックさ」を際立たせている担い手が、アルバルク東京とパートナーシップを結ぶパナソニック株式会社エレクトリックワークス社だ。FIBA(国際バスケットボール連盟)の基準に準拠した照明器具をはじめ、映像、音響設備、サイネージ、そしてそれらを一括制御できる総合演出システムまでを納入し、光と音と映像で観客を魅了する。
同社の照明器具はただ華やかなだけではない。プレー中の選手がまぶしさを感じないよう配慮されており、快適なプレー環境と迫力ある演出を両立させている点も大きな特徴だ。3Dシミュレーション技術を活用した競技者視点での検証を繰り返すことで、照射角度の最適化に成功した。このように、観客と選手の双方に配慮したアリーナ設計が随所に生かされている。