最新記事
スポーツ

選手の「まぶしさ抑制」と観客の「没入体験」を両立...新バスケアリーナ「TOYOTA ARENA TOKYO」が実現する「新しい観戦体験」とは

2025年9月1日(月)15時45分
岩辺智博(本誌記者)
TOYOTA ARENA TOKYO

TOYOTA ARENA TOKYO PHOTO:TOMOHIRO IWANABE-NEWSWEEK JAPAN

<Bリーグ所属のプロバスケットボールチーム・アルバルク東京の新本拠地として10月にオープンする「TOYOTA ARENA TOKYO」。選手目線を徹底的に追求し、訪れた観客を「没入」させる数々の仕掛けとは? メディア向け内覧会でベールを脱いだ新アリーナの魅力を紹介する>

日本国内で高まりを見せるバスケットボール人気がさらに勢いを増しそうだ。Bリーグの強豪・アルバルク東京が2025-26シーズンからホームアリーナとして使用する「TOYOTA ARENA TOKYO(トヨタアリーナ東京)」(東京都江東区)が完成し、8月28日にメディア向け内覧会が開かれた。

収容人数は約1万人、コンサート利用では約8000人。国内でも有数の規模と最新設備を備えたアリーナが、バスケットボールをはじめ多彩なエンターテインメントの舞台として間もなく本格始動する。

newsweekjp20250901044201.jpg

TOYOTA ARENA TOKYOの外観

近年、日本バスケットボール界は飛躍的な発展を遂げている。Bリーグ選手を中心に編成された男子日本代表は2023年のワールドカップで欧州の強豪国を相手に勝利を挙げ、パリ五輪の自力出場を勝ち取った。リーグの観客動員数もコロナ禍以降右肩上がり。そうした流れの中で誕生したのが、この「TOYOTA ARENA TOKYO」だ。

内覧会では、バスケットボール観戦に適した楕円(オーバル)型に設計されたメインアリーナが報道陣に初公開された。コートをぐるりと取り囲む観客席はどの位置からでも視界が開け、試合のダイナミックな躍動感を最大限に味わえる造りとなっている。

newsweekjp20250901043440.jpg

どの席に座ってもはっきりとコートが見られる設計

この「ダイナミックさ」を際立たせている担い手が、アルバルク東京とパートナーシップを結ぶパナソニック株式会社エレクトリックワークス社だ。FIBA(国際バスケットボール連盟)の基準に準拠した照明器具をはじめ、映像、音響設備、サイネージ、そしてそれらを一括制御できる総合演出システムまでを納入し、光と音と映像で観客を魅了する。

同社の照明器具はただ華やかなだけではない。プレー中の選手がまぶしさを感じないよう配慮されており、快適なプレー環境と迫力ある演出を両立させている点も大きな特徴だ。3Dシミュレーション技術を活用した競技者視点での検証を繰り返すことで、照射角度の最適化に成功した。このように、観客と選手の双方に配慮したアリーナ設計が随所に生かされている。

newsweekjp20250901043457.jpg

コートサイドから見上げたメインアリーナの全景。選手目線でのまぶしさ対策が徹底されている

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

欧州・アジアの銀行株が下落、米国の与信懸念が波及

ビジネス

英マン・グループの運用資産が22%増、過去最高に 

ワールド

ベトナム、所得税減税へ 消費刺激目指す=国営メディ

ビジネス

イタリア金融業界、3年間で110億ユーロの増税へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 5
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 6
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 7
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    ホワイトカラーの62%が「ブルーカラーに転職」を検討…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 1
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中