恐竜の美しさに泣けてくる...『ジュラシック・ワールド』最新作には、原点回帰のスリルと興奮が
Rebirth of That Old Movie Magic

恐竜を再生した研究施設の島に乗り込む工作員ゾーラ(ヨハンソン) ©2025 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.
<恐竜が都市部にまで進出してしまった世界を描く『復活の大地』は、巨匠スピルバーグの世界観へのオマージュが満載──(ネタバレなし・レビュー)>
2025年夏の最初のヒット作は、ギャレス・エドワーズ監督のおかげで誕生した。『ジュラシック・ワールド/復活の大地(Jurassic World: Rebirth)』の目もくらむようなムービー・マジックは観る者の心に染み渡り、わざわざ映画館に足を運ぶ理由を思い出させてくれる。
【動画】恐竜たちからDNAを採取する...『ジュラシック・ワールド/復活の大地』予告編
この作品は初代『ジュラシック・パーク』(1993年)の舞台となった孤島のシーンから始まる。ご承知のように再生された恐竜たちは暴走し、初代よりもひどい事態となっている。今や恐竜たちは周辺の都会にまで進出し、赤道直下の熱帯地域への旅行は禁止されている。
そんな混乱の中、ルパート・フレンド演じる製薬会社の代表マーティン・クレブスは人類を救う新薬開発のため、島を徘徊する恐竜のDNAを採取するチームを結成し、古生物学者ヘンリー・ルーミス博士(ジョナサン・ベイリー)と元工作員ゾーラ・ベネット(スカーレット・ヨハンソン)、元傭兵ダンカン・キンケイド(マハーシャラ・アリ)を島へ送り込む。
ベイリーは超学者肌で現実に疎いルーミス博士を誠実かつユーモラスに演じ切った。
一方、ルーミス博士と対照的なのは大胆で度胸満点のゾーラだ。敵と戦うときは冷酷無比だが過去に経験した悲劇ゆえに仲間を救うためなら自分の命も投げ出すゾーラの二面性を、ヨハンソンは巧みに演じ分けている。
そして最も印象に残るのは、どの場面でも魅力的なマハーシャラ・アリだ。彼の演じるダンカンも、ゾーラと同様に過去の過ちを繰り返すまいとしている。