最新記事
映画

ホラーではないが背筋まで凍る...「幽霊の視点」で描く新感覚スリラー映画『プレゼンス 存在』

Soderbergh’s Spooky New Thriller

2025年3月6日(木)19時18分
レベッカ・オニオン(スレート誌記者)
『プレゼンス 存在(Presence)』ルーシー・リュー演じる母レベッカ

一軒家に移り住んだ4人家族の全てを「それ」は見つめている NEONーSLATE

<家族を翻弄する「存在」の予想を裏切る正体に戦慄。鬼才ソダーバーグが放つ異色の新作に注目が集まる──(2ページ目以降ネタバレあらすじアリ)>

スティーブン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)監督による最新作『プレゼンス 存在(Presence)』は、郊外に立つゴージャスな一軒家を舞台にした家族の物語だ。

『プレゼンス 存在』予告編



家を内見している仕事熱心な母親のレベッカ(ルーシー・リュー、Lucy Liu)は、いい学校が近くにあるかどうかにしか関心がない。

よき父親のクリス(クリス・サリバン、Chris Sullivan)、スポーツマンの兄タイラー(エディ・メディ、Eddy Maday)、友の死に傷心する妹クロエ(カリーナ・リャン、Callina Liang)の一家が移り住み、やがてゆっくりと崩壊していく。

ソダーバーグ自ら撮影監督を務めた本作は、この家に取りつくプレゼンス(幽霊)の視点から撮影した映画だ。

「それ(プレゼンス)」はこの家の全ての出来事を見つめている。

友達がオーバードーズ(薬物の過剰摂取)で亡くなったショックで殻に籠もるクロエをケアするようクリスは妻に求め、タイラーの友人ライアン(ウェスト・マルホランド、West Mulholland)はひそかにクロエを誘惑する。

酔っぱらったレベッカは溺愛する息子に向かって、愛する人のためなら何をしてもいいと言う。

「それ」は近くでクロエを観察するとともに、母親も注視している。レベッカはパソコンやスマートフォンに向き合ってばかりで、娘にはほとんど向き合わず、息子とその成功に執着している。

ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英失業率、8─10月は5.1%へ上昇 賃金の伸び鈍

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、12月速報値は51.9 3カ月

ビジネス

仏総合PMI、12月速報50.1に低下 50に迫る

ワールド

26年度予算案が過去最大へ、120兆円超で調整=政
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 10
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中