仕事と私生活を「別人格」で生きる...SFドラマ『セヴェランス』とは? 多くの批評家が「年間ベスト作品」に

How the Other Half Live

2025年1月31日(金)14時52分
シャノン・パワー(エンターテインメント担当)

『セヴェランス』制作総指揮のベン・スティラー

制作総指揮として裏方に徹するスティラー(左) ALBERTO E. RODRIGUEZ/GETTY IMAGES

「本当の自分」はどこに

現実の人生も『セヴェランス』の奇妙さとそれほど懸け離れてはいないと、アークエットは感じている。「人は皆、いろいろな顔を持っている。家があって家族がいても、不倫をして恋に落ち、ティーンエージャーのようになる人もいる。一貫性なんてない」

「どんな場面であれ、ありのままの自分でいる」ことはできないと、彼女は続ける。例えば、オンラインゲームの世界では現実の自分と全く異なるアバターが活動する。


「人はそれぞれ自分の世界の中で、職場ではある人格になり、友人や家族といるときは別の人格になったりする。自分を再び1つに統合して、本来の感情を感じ、どこにいても本当の自分でいるためにはどうすればいいのだろう」

ルーモンの従業員が手術を受けた理由はそれぞれだ。主人公のマーク・スカウト(アダム・スコット、Adam Scott)は妻の死を忘れたいと思うあまり入社を決めたが、悲しみを忘れていられるのは仕事中だけだ。

ルーモンが開発した「セヴェランス(分離)」の手法は、完璧なワークライフバランスを見つける解決策とされる。しかしシーズン1で、一部の従業員が疑問を感じ始める。マクロデータ改良部で働くスカウトと彼のチームの同僚は謎を解明しようと格闘するが、自分たちの仕事の本当の意味を突き付けられる。

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