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「下手な女優」役でナタリー・ポートマンに勝てる者はいない...14年ぶりに見せた説得力

Nobody Plays a Bad Actress Better

2024年7月5日(金)16時10分
サム・アダムズ(スレート誌映画担当)

この映画で最も印象に残るのはエリザベスとグレイシーが並んで鏡の前に立つ場面だ。ただし鏡に映った姿は見えない。見えるのは洗面所のシンクの前に立つカメラ目線の2人の姿のみ。

この場面だけで2人の勝ち負けが分かる。いくら化粧をまねてもエリザベスはグレイシーに似ていない。ずっと「不当な罪を着せられた女」を演じて生きてきたグレイシーのほうが役者が上だ。

エリザベスは空っぽだ。ポートマンは完璧な演技で、それを一目で分からせる。おかげで私たちは自分を見つめ直せるし、他人の心の内側に入り込むことの難しさに気付かされる。


©2024 The Slate Group

MAY DECEMBER
メイ・ディセンバー ゆれる真実
監督/トッド・ヘインズ
出演/ナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーア
日本公開は7月12日

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