最新記事
K-POP

NewJeansはどうなる? 所属事務所代表を親会社が告発へ、今後の予想シナリオ ベストvsワースト

2024年4月25日(木)22時12分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

遅かれ早かれ、ミン・ヒジン代表がアドアを退任せざるを得ないのは確実だ。その場合、NewJeansはどうなってしまうのか?

1)望ましい展開:ミン・ヒジンだけが去り、NewJeansはアドアに残留し活動継続
本来のベストな展開であるハイブとミン・ヒジンの和解が望めない現在、もっともいいのはミン・ヒジンが退任して、NewJeansがアドアでそのまま活動を継続するというパターンだ。現状ではこれがもっとも可能性が高い。

NewJeansを大ヒットさせたミン・ヒジンなら、ハイブと袂を分かったとしてもいくらでも新しいレーベルを立ち上げるために投資家が列をなすだろうというのが音楽業界の見方だ。ある業界関係者は「SMエンターテインメントを経てNewJeansという優れた結果を出しただけに、国内はもちろん国外でも投資家が列をなすだろう」と話した。
ミン・ヒジンとともにNewJeansの成功を支えたクリエイティブスタッフが、ごっそりアドアを去ることも考えられ、NewJeansのサウンドなどが変わってしまう可能性も指摘されるが、複数の音楽業界関係者たちは「ミン代表の独断的な経営に嫌気がさしたハイブ経営陣が『ミン·ヒジンのいないNewJeans』を生かすためにより一層力を入れるだろう」とコメントした。

2)望ましくない展開:ミン・ヒジンとともにNewJeansもアドアを去り独立、活動に支障が
心配される展開としてはNewJeansメンバーが母のように慕うミン・ヒジン代表とともに独立を目指すということが考えられる。ただ、この場合、前述のようにメンバーが契約しているのはアドアではなくハイブのため、専属契約解除を求める訴訟をすることになり、戻れない川を渡ることになる。仮に何らかの条件で合意できて独立することができたとしても、ハイブは放送局をはじめとしたメディアに彼女たちが出演できないように圧力をかける(ハイブ傘下のアーティストを出演させない)ことが予想され、活動には大きな支障が伴う。

3)最悪な展開:ミン・ヒジンとともにNewJeansが独立目指すが裁判で敗訴、活動停止に
最悪なパターンは、上記2)の訴訟がこじれる場合だ。専属契約解除を求める訴訟のなかで合意ができなかった場合、裁判所は、契約解除を認めない可能性が高い。メンバーがミン・ヒジン側についても、契約上の所属はハイブのままということになると、活動はストップしたままになってしまう。

こういった最悪なパターンの事例として音楽業界関係者が口を揃えてあげるのが「FIFTY FIFTY」だ。奇しくもNewJeansと同じ2022年にデビューした4人組ガールズグループFIFTY FIFTYは、2023年2月にリリースした「Cupid」がブレイク。ビルボードの「ワールドデジタルソングセールス」にて8位を記録したほか、大手以外の事務所のK-POPアーティストとしては初めてHOT 100にもチャートインするなど、一躍注目される存在になった。ところが、所属事務所が実務を依頼していた会社がメンバーとともに独立を図り、専属契約解除を求める訴訟を起こしたものの敗訴。メンバーのうち一人だけが和解して所属事務所に復帰したものの、他のメンバーは契約を解除され、最終的にFIFTY FIFTYというグループ自体が事実上解散となってしまった。

このFIFTY FIFTYの事件があったため、今回のハイブとミン・ヒジン代表の対立についてメディア、そして音楽業界関係者はハイブ有利との見方をしてきた。

果たしてNewJeansがこれからも活動を続けられるのか、あるいは第二のFIFTY FIFTYになってしまうのか? それはミン・ヒジン代表の今後の動きにかかっていると言えるだろう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英シェル、BP買収を巡る報道を否定 「市場の憶測に

ビジネス

米5月新築住宅販売、7カ月ぶり低水準 在庫は07年

ビジネス

米経済、関税による「スタグフレーション的」減速へ=

ワールド

米フォード、大半の従業員に週4日出勤義務付け 9月
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 8
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中