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「源氏物語の作者は男好きだね...」藤原道長のイジりに紫式部が返した言葉とは?

2024年3月12日(火)12時25分
山口 博 (国文学者) *PRESIDENT Onlineからの転載

紫式部は「時の人」になったけれど...

このように長編小説の作者と喧伝されようと、モデル問題を引き起こそうと、内裏では『源氏物語』の作者として「時の人」であった。

『日本書紀』『史記』などをマスターした女学者であろうと、一という文字さえ書けない振りをし(『紫式部日記』)、人目に立つことを避け続け、猫を被ったように控えめにし、自分には宮仕えは憂き世界と、自虐的に追い詰めていたのである。

そしてそれは、学んできた歴史書に対する批評に昇華された。「歴史などは人間の一面しか書いていない。物語にこそ委曲を尽くした人間の事柄が書かれている」(『源氏物語』第二十五帖「蛍」)という、有名な文学論を生んだのである。


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
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