【TWICE、Stray Kids他インタビュー】「まだ完全に理解されているわけではない」...世界を席巻した、Kポップはどこに向かうのか?

WHATʼS NEXT FOR K-POP?

2023年12月15日(金)12時35分
タッシア・アシス(フリーランスライター)

231219P18_KPO_15.jpg

作品を世に送り出すあらゆるプロセスは明確なコンセプトに基づくべきだと考えるJAKOPS TPG/GETTY IMAGES

──Kポップのレーベルの中には、数撃ちゃ当たるとばかりに所属アーティストにいろんなスタイルの音楽をやらせるところもある。確たるアイデンティティーを持つことは成功の秘訣ではないのだろうか?

バンダーウィース 私はさまざまな概念がKポップをKポップたらしめているのだと思っている。明確なアイデンティティーを持つバンドもあるかもしれないが、発表する作品には幅があるはず。

レーベルは最近、サウンドの幅とファン層を広げるためにグループの下部ユニットを作ったりもしている。いずれも独自性とともに、幅広い層にアピールするためさまざまな要素を備えている。

チョー ネガティブな見方をすれば戦略もプランもないということになるけれど、ポジティブに考えるなら、いろんなことに挑戦する柔軟性があるということだ。後者の考え方を伸ばし、前者についてはよりよい解決法を見つけていけば、いいバランスにつながると思う。

サナ(TWICE、26歳) 何より大切なのは、アーティストがやりたいと望み、楽しめる音楽を作ることだと思う。アーティスト自身が自分の音楽を楽しんでいるという事実は、最高の魅力として伝わるはず。

チェヨン(TWICE、24歳) 新人グループならいろんなコンセプトや音楽を試しているうちに自然と独自のチームカラーを見つけていくのだと思う。TWICE歴が長くなればなるほど、そう思うようになった。曲を聴いた人たちから「これ、TWICEっぽいサウンドだね」と言ってもらえるようになればいいと思う。

JAKOPS 人々に愛される作品が生まれるのは、練習での指導、音楽の選択、作品作りのプロセス、ビジュアル関連の作業、マーケティング活動の全てが、明確ではっきりしたコンセプトに基づいて行われた場合に限るというのが私の信念だ。

ヒョンジン(Stray Kids、23歳) 自分のスタイルさえ見つかれば、グループ全体のアイデンティティーがもっと明確になって、ファンの心もつかみやすくなると思う。その枠内においてコンセプトやスタイルの多様性があれば、似たような曲の繰り返しも避けられるだろうし、グループの独自性も高まるだろう。

アイエン(Stray Kids、22歳) 一番大事なのは、能力を磨く努力をひたすら続けることだ。個人としての改善がなければ、さらに大きな規模でも成功を重ねるというのは難しくなる。

ロドリゲス 新しいプロジェクトは常に音楽から始まる。音楽が創造性に火を付けるのだ。楽器ごとの編曲やテンポ、歌詞、曲のコンセプトといったものがビジョンを動かす。

手当たり次第に試しているというのは当たらない。これはビジョンに命を吹き込む創造的なプロセスで、音楽的にもビジュアル的にもそうしたプロセスを経て、作品は大衆の元に届けられる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 9
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中