上野千鶴子、性差別論が中国で爆発的ブーム...「おひとりさま」に共感も
Chizuko Ueno

ILLUSTRATION BY KYOJI ISHIKAWA FOR NEWSWEEK JAPAN
<中国で「上野ブーム」が巻き起こったきっかけは? 本誌「世界が尊敬する日本人100」特集より>
村上春樹や東野圭吾など中国で人気の日本人作家は多いが、新たに上野千鶴子がその1人に加わった。2022年に7冊、23年(7月末時点)は新訳を含め8冊もの翻訳書が出版されており、累計発行部数は70万部を超えたと報じられている。
「爆紅(爆発的人気)」とまで言われる中国の上野ブーム、きっかけとなったのは19年の東京大学入学式の祝辞だ。大学にも社会にもあからさまな性差別が横行しているとの指摘は、中国でも大きな反響を呼んだ。
17年にアメリカから始まった、セクハラや性差別を告発する#MeToo運動は中国でも広がりを見せたが、中国共産党は「西側敵対勢力による分断工作」として取り締まる姿勢を示している。こうしたなか、主に日本の問題を指摘しているため検閲を擦り抜け出版を許されている上野の著作は、フェミニズムに共感する人々にとってのバイブルとなった。
それだけではない。フェミニズムを知らない女性にも支持者は多いようだ。価値観が多様化し、結婚を求める親や親族の圧力をはねのけて1人で生きようとする女性が増えつつある中国では、「子供の代わりにペットを家族に」「単身者のための料理セット」など、単身経済は成長産業だ。いかに検閲を強化しようとも社会の変化は止められない。「おひとりさま」提唱に共感した上野ブームは、そのシンボルとなっている。
上野千鶴子
Chizuko Ueno
●社会学者

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