最新記事

日本企業

ソフトバンクG株式非公開化の現実味、アーム売却で高まる観測

2020年9月15日(火)08時53分

9月14日 ソフトバンクグループを巡って浮かんでは消える「非公開化」観測が再燃している。英アーム株式を米エヌビディアに最大4兆円超で売却すると発表したことで、金融市場では現実味が増してきたとの受け止めが聞かれる。写真は孫正義会長。2017年2月、東京で撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

ソフトバンクグループ(SBG) <9984.T>を巡って浮かんでは消える「非公開化」観測が再燃している。英アーム株式を米エヌビディアに最大4兆円超で売却すると発表したことで、金融市場では現実味が増してきたとの受け止めが聞かれる。大型の資産売却はポストコロナをにらんだ動きとの見方もある。

関係筋によると、SBGの幹部らは、複数の大規模資産売却後の新たな戦略を模索する中、株式非公開化を巡る協議を行っている。14日には傘下の英半導体設計企業アーム・ホールディングスの全株式を半導体大手エヌビディアに約4兆2000億円で売却することで合意。関係筋によると、株式非公開化に向けた協議はアーム売却後に加速する可能性があるという。


物言う株主から自社株買いの要求を受けていたSBGは3月、4.5兆円の資産を売却・資金化し、2兆円の自社株買いと負債削減に充てる計画を発表した。これまでに、中国ネット商取引大手のアリババ株や通信子会社のソフトバンク<9434.T>株、米通信大手TモバイルUS株の売却や資金化に相次いで動き、資産の売却・資金化の目標は達成した。

今回のアーム株売却は、これに加えて打ち出したことになる。SMBC日興証券のアナリスト菊池悟氏は9日付レポートで、アーム株の売却が当初計画より前倒しされるなど資産売却を急ぐ印象があるほか、計画する自社株買いの規模が大きいことから「MBO(経営陣が参加する自社買収)による上場廃止も選択肢とみている」と指摘した。

SBGの時価総額は14日時点で約13兆3000億円。孫正義会長兼社長が3月末時点で21.25%を所有。一連の自社株買いでは取得した株式を消却するためその分、孫氏の保有比率は高まる見通しだ。残る株式の取得に必要な数兆円の資金も、アリババ株などの資産をさらに売却すればまかなうことは可能と、SMBC日興の菊池氏はみている。

仮に非公開化に向けてMBOに動くなら、買い付け価格には実際の株価にプレミアムが付くとみられる。東京市場でSBG株の14日終値は、アーム株売却の発表とMBOの思惑が相まって前営業日比8.96%高の6385円をつけた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、FRB次期議長の承認に自信 民主党の支

ワールド

エプスタイン文書追加公開、ラトニック・ウォーシュ両

ワールド

再送-米ミネソタ州での移民取り締まり、停止申し立て

ワールド

移民取り締まり抗議デモ、米連邦政府は原則不介入へ=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 3
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 6
    【銘柄】「大戸屋」「木曽路」も株価が上がる...外食…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 9
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 10
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中