最新記事

メディア

懲りない韓国メディア 「n番部屋」事件後も性商品化などの表現で炎上続々

2020年4月27日(月)21時20分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

Netflixで世界配信中のドラマも炎上

またNetflixで世界配信もされているSBSドラマ『ザ・キング:永遠の君主』は、第1話放送分から抗議の対象となってしまった。女性首相役の主人公が初登場するシーンで発する「ワイヤーの無いブラは胸を支えることが出来ない」というセリフが集中攻撃されることとなった。放送終了直後から、"脱コルセット・ノーブラ運動"が行われている世界のトレンドとは逆行している表現だという意見が殺到している。

ちなみに、このドラマのオープニング映像には、コンピュータグラフィックに過去の映像が出てくるのだが、そこに日本人寺院と推定される映像が入っており、こちらも議論が起こった。製作陣は再放送やVODサービスなどから該当のイメージを修正した差し替えバージョンが放送されると発表している。

男性に対するセクハラも炎上?

さて、性搾取、性商品化といえば、女性が被害者というイメージをもってしまいがちだが、現代ではこの問題に性別は関係ないと言えるだろう。2016年にはゲームバラエティ番組SBS『私を探して』にて、芸人のイ・クッジュが歌手チョ・ジョンチのお尻を触り、「触ってみたら垂れていました」とセクハラ発言をして笑いを取る一幕があったが、放送後「不快だった」という意見がファンを中心に多く書き込まれたことがあった。

また、2019年には、大韓シルム(韓国相撲)協会所属の大学生シルム競技映像が問題になったこともあった。ユーチューブで今も確認することができるが、カメラは競技の行方を全く追っておらず、選手の顔のみを映していることから、一時期ユーチューブのコメント欄が炎上した。

人気番組が次々と問題視されている。以前ならそこまで問題視されなかったたったひと言のセリフやギャグにも抗議が殺到しているのを見ると、韓国の国民全体が敏感になってしまっているようだ。n番部屋の衝撃は、ここまで大きな影響を及ぼしてしまった。

時代錯誤な性の表現や性搾取を思わせる演出はこれを機に改善されるべきだが、一方であまりにも神経質になりすぎて創り手が萎縮し、新しい表現を生み出す意欲が損なわれないようにもしてほしいところだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英中銀は8日に0.25%利下げへ、トランプ関税背景

ワールド

米副大統領、パキスタンに過激派対策要請 カシミール

ビジネス

トランプ自動車・部品関税、米で1台当たり1.2万ド

ワールド

ガザの子ども、支援妨害と攻撃で心身破壊 WHO幹部
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 8
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 9
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 10
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中