最新記事

音楽

韓国オーディション番組にまたも疑惑 アイドルの次は韓国演歌

2019年12月3日(火)12時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

韓国でトロット復活のきっかけとなった番組『明日はミス・トロット』の優勝者ソン・ガイン 연합뉴스TV/ YouTube

<アイドルのオーディション番組でファン投票数の操作が問題となった韓国。今度は演歌の人気番組で疑惑が──>

今年5月の放送開始前から「2019年K-POP界最大の大型新人が誕生する」と前評判が高かったケーブルテレビ局Mnetのオーディション番組『プロデュースX101』。だが、番組終了直後から視聴者投票の獲得点数が操作されているという疑惑がもち上がり、最終的には警察がプロデューサー2人を逮捕。過去のシリーズ作品も含めて点数操作が自白される事態となり、大きな社会問題になった。

そんな韓国で、今年もうひとつ大きな話題となった音楽オーディション番組があった。保守系新聞「朝鮮日報」系列のケーブルテレビ局朝鮮放送が今年3〜5月に放送した『明日はミス・トロット』だ。この番組は、素人からお笑いタレント、無名の若手歌手まで、さまざまな経歴のメンバーが出場、トロットの歌唱力で優勝を目指すというものだ。

トロット(트로트)とは

さて、この「トロット(트로트)」、聞きなれない方も多いはずだ。トロットとは、1940年代後半から始まったとされる韓国歌謡のジャンルの一つで、日本では「韓国演歌」とも呼ばれている。ただ、日本で演歌というとスローテンポな曲を想像しがちだが、トロットは日本の演歌に比べると、アップテンポでリズミカルな曲も多い。

過去には日本でも韓国の演歌歌手が活躍した時代があった。紅白歌合戦に3回出場したキム・ヨンジャや、日本でも多くのヒット曲を発表した桂銀淑などが代表的だろう。しかし、その後演歌衰退とともに段々と姿を消していった。

一方、韓国でのトロット人気はというと、やはり90年代にアイドルブームの到来とともに音楽界で脇役の存在となっていった。ところが、2000年代に入ると若者受けするアップテンポな曲や若手歌手が数多く登場、トロットは再ブレイクした。特に2004年チャン・ユンジョンの曲『オモナ』は老若男女からの支持を受け大ヒット。LGの携帯電話のCMに起用されるほどだった。その後も2009年アイドルグループからソロのトロット歌手に転向したホン・ジニョンの『愛のバッテリー』がヒットするなど、「ネオ・トロット時代の到来」と呼ばれた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国のイラン産原油輸入、6月に急増 紛争前の輸送加

ワールド

トランプ氏の出生地主義見直す大統領令、米最高裁が全

ワールド

プーチン氏、ウクライナと協議継続の用意表明 交渉担

ワールド

イスラエル軍法務総監、ガザ配給所の発砲巡り戦犯調査
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 2
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急所」とは
  • 3
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 4
    富裕層が「流出する国」、中国を抜いた1位は...「金…
  • 5
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    伊藤博文を暗殺した安重根が主人公の『ハルビン』は…
  • 8
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 9
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 10
    中国軍事大学が特殊任務向け「蚊サイズ」ドローンを…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 4
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 7
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 10
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中