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コンプレックスで悩むのがくだらないと自覚できる3つのヒント

自分なりの成功が定義できなければ「他の人は自分よりも成功している」という強迫観念にとらわれ続けることになる

2015年10月21日(水)17時35分
スティーブ・エリー 

どうせ僕なんか 自分の内面を誰かの外面と比べても仕方ない Mason Vranish/iStock

 競争社会では、自分と競争相手を比較せずにはいられない。自分より給料が高い同僚、出世が早い同僚、立派な肩書と自由を手に入れた友人......。

 だがこういう比較は、自尊心を損なうばかりで成功の後押しはしてくれない。自分と他人の比較をやめる方法を学ぶことが重要だ。その一助として、人がとらわれがちな「3つの思い込み」を明らかにしたい。

思い込み<その1> 他の人は運に恵まれている

 私たちは心のどこかで、ベネディクト・カンバーバッチのようになりたいと思っている。頭がよくてユーモアと才能に溢れ、スーツがとてもよく似合う。

 それにひきかえ自分は田舎町で悪戦苦闘。世の中は不公平だ。

 だが、自分は運に見放されているという考えは百害あって一利なしだ。努力をともなわない妬みにすぎない。自らチャンスを見い出し努力をしない者に幸運は訪れない。

思い込み<その2> 他の人は、自分が持っていないものを持っている

 他の人は私より若いし、才能もユーモアもある......。ふと気づくと、よくできる同僚や意欲にあふれる若手社員に対して自己嫌悪に陥っていることがある。

 こういう比較をしたくなるのは、私たちが自分の能力を疑い、不安に捉われているからだ。いつか自分の短所がばれるのではないか、大失敗を犯すのではないか、と恐怖に苛まれている。

 しかし、自己の内面を他者の外面と比べたところで意味はない。「自分が思う最悪の自分」を「自分が思う最高の他人」と比較するのは馬鹿げている。

 現実を見よう。世の中には、あなたより才能に恵まれた人もそうでない人もいる。より経験豊富な人もそうでない人もいる。それをいちいち比較するのは労力の無駄だ。

思い込み<その3>「他の人々は自分より成功している」

「成功」とは奇妙なものだ。他の人々は「成功」をいとも簡単に手に入れるのに、自分がそれを手に入れるためにはその何倍もの努力が必要とされる。一番厄介なのは、成功はある種の「エンドゲーム(最終段階)」であり、一旦それを手に入れてしまえば、努力をやめても豊かな暮らしを満喫できるという思い込みだ。

 しかし、成功とは往々にしてただの「蜃気楼」なのだ。実在しないものであり、絶えず動き続ける的だ。

 真の意味で成功を収めるには、自分にとって成功とは何かを明確にしなければならない。一国一城の主になることなのか、何かを作ることなのか、あるいは才能ある人々のなかに身を置くことなのか。自分なりの成功が定義できるまでは、「他の人は自分よりも成功している」という強迫観念にとらわれ続けることになるだろう。

 自分と他人を比較して動揺するのは常に不毛だということだ。

By Steve Errey of The Muse

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