最新記事

投資の基礎知識

日本の株価に大きな影響を与える「外国人投資家」の正体

2019年2月7日(木)18時30分
山下耕太郎 ※株の窓口より転載

外国人投資家の売買手法とは?

外国人投資家のうち長期保有の大手運用会社は、1回あたりの注文金額が多いので、売買金額が大きくなる傾向があります。また、数週間以上にわたって売買の持続性があるため、相場動向を見通す手がかりになります。

日本は製造業が多いので、景気循環の観点から世界景気が良くなると、業績拡大期待から外国人投資家が日本株を買う傾向があります。その中でも、外国人投資家は「TOPIXコア30」など時価総額の大きな企業を好みます。

TOPIXコア30は、東証1部全銘柄のうち時価総額や流動性の上位30銘柄で構成される株価指数で、主力大型株の動向を判断するのに使われます。各業種の日本を代表する主力銘柄が揃っていることから、外国人投資家の有力な投資対象になっています。

アメリカ市場が及ぼす影響を知る

アメリカの株式市場も大きな影響を与えます。

例えば、ヘッジファンド運用残高の投資地域別構成比を見ると、北米が66.7%。したがってヘッジファンドの運用成績は、多くの資金を投入しているアメリカ市場の動向に一番影響を受けることになるのです。

ヘッジファンドとは、市場が上がっても下がっても利益を追求することを目的としたファンドで、2018年11月末の運用残高は2兆3647憶ドル。日本の株式市場にも大きな影響を与えています。

日興リサーチセンターの調べによると、ヘッジファンド運用残高の投資地域別構成比は以下のようになっています(2018年11月時点)。

kabumado190207-chart2b.png

アメリカの株式市場が上昇すれば、ヘッジファンドは含み益を得ることができるので、リスクオン(積極的に投資を行うこと)になり、アメリカ市場から世界中の市場に資金を分散させた投資を行います。その中には日本株も含まれるため、それによって日本株が上昇するのです。

ただ、日本株を専門とする外国人投資家というのは減っていて、日本株を含むアジア株全体、またはグローバル運用の担当者が増えています。そのため、下げ基調が続く中国市場の売りヘッジを、流動性の高い東京市場の先物で行うこともあります。

中国株安の影響が日本の株式市場にも大きな影響を与えるのは、こうした外国人投資家の売りが出ているからだといわれています。

ドル建てで海外勢の心理を探る

外国人投資家、なかでも中長期の投資を行う機関投資家は、日本株投資を行う場合、為替ヘッジをかけないことが多く、投資成果はドルベースで評価されます。

したがって、ドル建ての日経平均株価が海外での日本株に対するセンチメント(市場心理)を表していることになります。

計算方法はシンプルで、日経平均株価をドル円レートで割ります。例えば、日経平均株価が20,000円で1ドル=100円の時は、ドル建ての日経平均株価は20,000円÷100円=200ドルになります。

日経平均株価が変わらないと仮定すると、円安ドル高になればドル建て日経平均は下落し、円高ドル安になればドル建て日経平均は上昇します。

MAGAZINE

特集:米ジョージタウン大学 世界のエリートが学ぶ至高のリーダー論

2019-6・18号(6/11発売)

「全米最高の教授」サム・ポトリッキオが説く勝ち残るリーダーになるための処方箋

人気ランキング

  • 1

    自撮りヌードでイランを挑発するキム・カーダシアン

  • 2

    未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

  • 3

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14歳少女に起こった一大事

  • 4

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 5

    北朝鮮の若者が美貌の「文在寅の政敵」に夢中になっ…

  • 6

    アメリカは「いざとなれば瞬時にイランを破壊できる」

  • 7

    【動画】米軍、イラン革命防衛隊が日本のタンカーか…

  • 8

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 9

    世界に誇る『ゴジラ』シリーズ化の原点は、1955年公…

  • 10

    ファーウェイ、一夜にして独自OS:グーグルは米政府…

  • 1

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14歳少女に起こった一大事

  • 2

    サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

  • 3

    ファーウェイ、一夜にして独自OS:グーグルは米政府に包囲網解除を要求か

  • 4

    自殺に失敗し顔を失った少女の願い――「何が起きても…

  • 5

    貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特…

  • 6

    香港大規模デモ、問題の「引き渡し条例」とは何か?

  • 7

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 8

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

  • 9

    日本の女性を息苦しさから救った米国人料理家、日本…

  • 10

    自殺した人の脳に共通する特徴とは

  • 1

    サーモンを愛する「寿司男」から1.7mのサナダムシ発見

  • 2

    台湾のビキニ・ハイカー、山で凍死

  • 3

    マイナス40度でミニスカ女子大生の脚はこうなった

  • 4

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 5

    プラスチック製「人工子宮」でヒツジの赤ちゃんが正…

  • 6

    タピオカミルクティー飲み過ぎで病院!? 中国の14…

  • 7

    貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特…

  • 8

    トランプ、エリザベス女王にまたマナー違反!

  • 9

    脳腫瘍と思って頭を開けたらサナダムシだった!

  • 10

    人類史上最も残虐な処刑は「首吊り、内臓えぐり、仕…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
広告営業部員ほか求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月